日本財団 図書館


6 旅行専門業者のみる白浜観光の特徴

本調査研究において、旅行専門業者として旅行代理店及び旅行雑誌編集者に対してヒアリングを行い、観光地としての本町の評価や今後の課題に関してどのような認識を有しているのかについて把握した。

 

(1) 立地の評価と競合地の状況

○ 位置上の特徴

白浜は大阪から2〜2.5時間であり、関西からの1泊2日圏にあたり、4時間かかる勝浦温泉と比較して条件はよく、ボリュームゾーンを狙える地域とみられている。紀伊勝浦になると大方4時間を要するため、四国や北海道の方が近くて安いイメージになる。また、旅行者の嗜好は、いかに早く着くかではなく、いかに道中を楽しむかの方に変わってきている。

ただし、最近の若者の観光行動は車を使うことが多く、ピーク時は4〜5時間、下手をすると6時間かかることもあるので、車を利用すれば北陸の方が近いというイメージになっている。

○ 競合対策地の広がり

近場志向の団体客の誘致という点では、白浜は琵琶湖周辺や淡路島と競合している。淡路島・四国は、去年の夏は明石大橋の関係で、また、今年は、“しまなみ街道”の影響がでることが考えられている。

一方、現在は、近場だけでなく、全国が競合地域となっている。例えば、大阪からの同時間・コストでの競合地としては、温泉としては加賀、城崎、皆生・三朝など多岐にわたる。白浜は、北陸、山陰と並ぶ京阪神から見た主流3方面の内の一つであり、重要な位置を占めると評価されている。最近では、伊勢・志摩も伸びてきている。地域の条件としては、伊勢・志摩が……食べ物・スペイン村・夫婦岩など資源も似ている……時期毎に集客を図るための仕掛けを多くしており、ライバルになると考えられている。また、最近では時間的には白浜は登別と同じであるなど北海道や九州が時間・コストの両面で競合地になってきている。また、近隣諸外国への旅行料金も価格調整が進み、低額化が進んでいるため、国内旅行が海外旅行とも競合する状況になってきている。例えぱ、2泊3日4万円程度(しかも、安い時期には、2〜3万円になる)で、夏は沖縄、冬は北海道と競合している。沖縄や北海道が伸びてきたときの白浜の位置づけは、変わって行かざるをえないのではないかとみられている。

○ 最近の観光行動

最近の観光行動面では、オートキャンプなどが値頃感にあったものとして人気がある。雑誌で紹介する観光地の値頃感は、ラーメンの価格を基準にものを考えるようであるが、この値頃感を外すと、リピーターが採りにくくなる(相手の目線に合わせて適正な価格といえるものであることが必要)。

現在は、観光地の世代交代が起こっているのかも知れない。過去に大規模な入込数を誇った団体主体のメジャー温泉地が長期低落の状況に入ってきている。別府から湯布院へ、登別から富良野へというような状況が生じている。

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION