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また、高失業率に呻吟する中部圏の活性化にとっては、自らの技術と専門ノウハウを起業化していく創業マインドやベンチャースピリットの旺盛な人材が強く求められている。

 

(3) 中部圏の地域振興に係る人材ニーズ

優れた国際的環境や独自の地域文化を活かした、福祉、健康など生活の質(クオリティオブライフ)の向上といった地域ニーズに応えるとともに、基地経済からの脱却という中長期的な課題を踏まえるならば、本圏域においては保健・福祉、教育など、多様な領域の人材に対するニーズが高い。

また、中部から生まれた芸能、音楽を感性産業として広げていける人材も、中部圏の活性化に関わる人材ニーズと言える。今後ますますグローバル化する環境の中にあって、活躍していける国際コミュニケーション能力を備えた人材の育成や確保も強く望まれている。

さらに、多様化、高度化する産業、地域のニーズに応えるため、社会人の再教育に対するニーズも高まっている。例えば、技術進歩の著しい情報通信技術に対応できるリテラシーは、今や当然の要件となっており、このような新しい技術やノウハウを更新していくことを支援する教育システムが望まれている。

このように沖縄の、同時に、中部圏の地域活性化を考えるとき、高度な専門性に加えて、あるテーマに基づき多方面の領域を統合し、事業や活動という実践に結びつけうる人材が必要である。例えば、世代を超えた健康な生活の実現というテーマでみるならば、健康科学、脳研究、居住環境学、スポーツレクリエーション科学、福祉工学などの分野が関わっており、それらの各専門をコーディネートした健康科学の専門家像として描かれる。いわゆる「統合型のノウハウを持った人材」が強く求められている。

 

 

 

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