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3 開発に当たっての留意点

 

(1) 中心市街地再開発との機能分担の方向

開発対象地域に導入を想定している賑わい創出機能と既存市街地の商業集積(再開発地への新規導入施設を含む)との役割分担をみるまえに、市内の既存商業の状況を概観する。

まず、四街道市内居住者の品目別の購買地域によって、四街道市商業の地元購買力の引き留め状況をみると、図表4-9に示すように十分な効果を上げていない状況にあると言えよう。すなわち、家庭用品、食料品、最寄品は85%以上を市内で購入しているが、衣料品、飲食(外食)では市内購買比率が50%強に低下する。そして、文化品、耐久品、買回品、贈答品では市内購買比率は50%を下回ってしまう状況にある。なかでも、買回品以外の3品目では千葉市における購買比率が市内購買比率を上回ってしまっている。また、贈答品では、市内購買比率は3割強にとどまり、千葉市内での購買が6割に近い水準になっている。

消費者の購買行動は、行政界には関係なく、その必要性に基づいて購買地選択が行われるが、この面に関しては四街道市の既存小売業は消費者のニーズに十分には応えていないと言えよう。

 

図表4-9 四街道市内居住者の購買地域

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資料:「千葉県商圏調査(平成10年)」

 

これに対して、現在、大規模商業施設の立地がすすみ地域商業が厳しい競争状況にある成田市では地域購買力の域外流出状況が四街道市と比較して低い水準にあると言えよう(図表4-10)。すなわち、全般的に8割以上が市内購買となっており、中でも家庭用品、食料品、最寄品は90%以上の市内購買率を有し、飲食も同様に90%以上が市内消費である。しかも、贈答品は79.6%が市内購買であり、千葉市内への依存は12.5%に留まっている。

 

 

 

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