日本財団 図書館


3 物流機能

 

(1) 新たな物流センターの立地展開の動向

ア 物流機能高度化の状況

「広域関東圏における総合的な物流施設体系整備計画調査」(平成9年3月、国土庁計画・調整局ほか)によると、流通構造改革、情報化の進展、貿易構造の変化等で、将来の物流業の構造変化として以下のような点を指摘している。

○ 物流の直送化と物流拠点の集約化

○ 物流及び物流拠点の共同化

○ 迅速性・定時制ニーズの一層の高まり

○ 買い物行動の在宅化による宅配貨物の増加

○ 製品輸入及び部品等の輸入減少

○ 原材料・素材等の輸入減少

○ 加工組立型を中心とした域内物流の小ロット化

○ 生産拠点や消費人口の郊外化による生活関連を中心とした集配送の長距離化

ここで指摘されている物流業の構造変化は、多くが多品種・多頻度・少量配送ニーズへの対応の必要性に集約されるものであり、このようなニーズの変化を業界別に示すと図表3-20のように示すことができる。このような物流環境は、既存アンケート結果からみても、物流に関連を持つ企業において強く認識されており、具体的には、

○ 物流コスト削減ニーズの高まり(荷主企業:65.5%、物流企業:80.5%)

○ 取扱製品、商品等の多品種少量化(荷主企業:52.4%、物流企業:40.7%)

○ リードタイムの短縮化等物流の戦略的活用(荷主企業:45.9%、物流企業:32.7%)

○ 物流情報のネットワーク化(荷主企業:13.4%、物流企業:22.1%)

○ 貨物車の搭載効率の低下(荷主企業:15.4%、物流企業:16.8%)

等が指摘されている。

このような物流輸送の変化に対応して、物流センターの動向としては、時間短縮、コストの削減、取引機会及び販路の拡大、顧客ニーズへの対応等を目的とした、物流機能の高度化が模索されている。すなわち、物流環境の変化に対する対応状況を上と同じアンケート結果からみると、

○ 配車・配送計画の効率化(荷主企業:19.9%、物流企業:43.4%)

○ 在庫管理のシステム化、オンライン化(荷主企業:40.2%、物流企業: 31.0%)

○ 物流施設の統合(荷主企業:13.1%、物流企業:24.8%)

○ 物流業務の外部委託(荷主企業:38.2%、物流企業:22.1%)

が行われており、このほかにも荷主企業からは、

○ 在庫の圧縮、集約化による在庫管理の効率化(荷主企業:59.0%、物流企業:17.7%)

が多く指摘されている。

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION