日本財団 図書館


一方、潜在的なニーズの場合には、新たにシステムとして構築する方向からサービス要素を機能別に確定した上で、資源動員の可能性を検討、すなわち「新たなシステム構築」の可能性を判別する。

第4に、このような一連の評価基準をもとに、課題に対応した代替システムを考察し、活用可能と考えられる他自治体の事例及び民間事業者の事例を提示する。ここで事例を提示する意義は、多様な選択肢を背景として、当該自治体に地域本位あるいは住民本位の最適な政策選択を促すことにある。また、民間の事例を含めることについては、新しい公共管理(NPM*)の観点から、民間手法の学習とその導入を促す上で重要と考えるからである。

以上の考えに基づいて、以下では、配食サービス、外出支援(移送)サービス、見守り・安否確認システムの三つについて検討していく。

 

*新しい公共管理(New Public Management)

 

企業の経営管理方式やそれを支える考え方を公共部門に適用・導入し、硬直化した伝統的な行政管理のスタイルを改革・改善しようとするもの。主な特徴としては、1]費用の削減を主眼とした能率・効率の向上、2]民営化やアウトソーシング(外部委託)の促進、3]競争原理の導入によるインセンティブの供与、4]結果によるコントロールを通じた公共サービスの質の向上、5]顧客若しくは消費者としての市民の位置づけと選択の自由の拡大、6]階層制組織に変わる柔軟で分権的な管理組織制度の創出、7]アカウンタビリティ(説明責任)の明確化とその確保など、があげられる。

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION