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実際のモデル地区の選定では、まず、人口規模、人口密度で分類し、次に産業構造や地理的特性等を考慮して、特色のある3モデル地区を選定した。また、調査の過程では、必要に応じて、当該モデル地区の市町村や関係団体等の協力を求めながら、調査研究を進めることとした。

 

(2) 都市地域のモデル地区:大宮市

 

都市地域では、川口市、浦和市、大宮市といった人口40万人前後、人口密度5,000人/km2程度以上の都市から、産業構造が都市的な特徴を持つ大宮市をモデル地区として選定した。

大宮市は、県の東南部に位置し、明治の鉄道工場の設置に伴い発展した都市である。東北・上越・長野の新幹線をはじめ東北・上信越・埼京・川越・東武野田線など、交通の要衝としての恵まれた立地条件から県内の産業・経済・文化の中核として発展している。人口は、昭和15年の市制施行以来増加の一途をたどり、平成11年末で、約45万人となっている。

健康福祉関連施設は、市内各地に配置されており、大宮市の提供する在宅福祉サービスの多くは、その分野別に社会福祉法人、社会福祉協議会、民間企業等へ委託されている。

 

(3) 田園地域のモデル地区:東松山市

 

田園地域では、行田市、加須市、本庄市、東松山市、羽生市、深谷市などの人口5〜10万人程度、人口密度1,000人/km2前後の都市から、産業構造が県平均に近似した東松山市をモデル地区として選定した。

東松山市は、県のほぼ中央に位置し、昭和29年に旧比企郡松山町を中心に1町4村が合併し誕生した都市である。昭和40年代から東京のベットタウンとして大規模な住宅団地の造成が次々と行われ急激に人口が増加している新興都市である。住民の平均年齢も若く、平成11年末の人口は、約9万3千人となっている。

健康福祉関連施設は、市内の複数の特定地区に集中して複合立地しており、東松山市の提供する在宅福祉サービスは、委託事業として実施するものも多いが、行政直営や直営・委託併用も約三分の一ある。

 

(4) 山間地域のモデル地区:小鹿野町

 

山間地域では、秩父市、横瀬町、皆野町、小鹿野町などの人口数万人程度、人口密度500人/km2以下の市町村から、典型的な山間地の特徴を有する小鹿野町をモデル地区として選定した。

小鹿野町は、県の西北部、秩父市の西側に位置し、西秩父の山懐に抱かれ豊潤な自然に恵まれた町である。昭和30年に町制を施行している。域内に鉄道はなく、山間地形のため道路は狭隘である。高齢化率は県平均の2倍に達しており、減少傾向にある人口は、平成11年末で、約1万2千人となっている。

健康福祉関連施設は、町の中心地区に集中立地しており、小鹿野町の提供する在宅福祉サービスは、行政直営を基本形態として実施されている。

 

 

 

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