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6 循環型社会の構築に向けての課題及び施策の方向性について

 

調査研究委員会 委員

松藤 保孝

 

(1)循環型社会の構築に向けての現状と課題

循環型社会の構築や地球にやさしいといったことは、最近、各企業の活動においても、また、住民の意識のうえでも、一種の流行になっている。

こうした中で、国や各地方公共団体では、循環型社会の構築に向けた様々な取組が行われているところではあるが、着実な成果を挙げているとは言い難く、循環型社会の構築に向けた道筋は見えていない。

その要因としては、様々なことがあると考えられるが、大きく、次の3点があると思われる。

 

ア 制度的問題

まず、第1に、現行の法体系や制度及びその背景にある考え方、例えば、廃棄物の処理及び清掃に関する法律が1つの典型的な例としてあげられるが、循環型社会の構築に向けた種々の政策を促進するものとはなっておらず、場合によっては、障害となっているものもあることが挙げられる。

 

イ 具体的行動を転換させる動機づけの不足

第2に、循環型社会を構築するということは、すなわち、住民や企業等の実際の行動を具体的に転換することであるが、これまでの行政の施策は、ややもすると循環型社会の抽象的な姿を示すことと、その実現に向けた住民や企業の取組の必要性について、地方公共団体の広報誌やポスター等の媒体を使い、抽象的に伝えていくことに止まっているものが多かったといえる。つまり、住民や企業等に具体的行動を起こさせるための動機づけの視点が不足していた。

 

ウ 国民や企業の意識

第3に、これは前述の第2とも関連するが、国民の意識と行動の問題である。地球環境が、現在、病める状態にあるとの一般的認識は、広く国民全般に浸透してきたものの、地球環境の悪化の原因が、個々人のライフスタイルや個々の企業活動、現行の社会経済システムそのものにあるとの認識が浸透しているとまでは言い難い状況にある。そのため、地球環境問題については、行政の施策が不十分であることや他者の行動を批判するような意見は多く出てくるものの、個々人自らが、何をなすべきか、また、社会のありようはどうあるべきかを考え、具体的行動を起こすまでに至っていない。

また、企業についても、大企業を中心にISOの認証取得や環境会計の導入など、環境に配慮した活動を行っている例は見られるが、消費者意識や輸入の拡大等を考慮した販売戦略面の理由によるところが大きいと考えられる。

 

 

 

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