UN/EDIFACTによるEDI取引のための調査研究
富士貿易株式会社
1. 目的
船舶は運航途中経由地、目的地で停泊する短い期間に舶用機器、部品、乗組員の食料などを、積み込まなければならない。通常これらの注文は本船、船社からサプライヤーへ、サプライヤーからはメーカーへと流れ、物品はメーカーからサプライヤーへ、そして本船へ納品となる。
ところが注文の形態にはファクス、電話、テレックスなどの様々な方法があり、各会社にて独自のシステムにインプットしているのが現状である。このインプットする作業は、ほとんど人手によるため、入力ミスや入力に費やす時間が多く、特に緊急を要する場合などは大きな問題となる。
本研究では、このような課題を解消するために、他社の異なったシステムにも変換できるUN/EDIFACT(国際標準)をベースにしたIMPA ETSF(業界サブセット)を用いて、内外の船舶に係わる業者間で電子取引を行うことを目的に、テスト通信及び実際の通信により電子取引で予想される問題点等を検証する。
これにより各社での個々の開発費用の抑制と電子取引の普及が見込まれ、また各社で独自に開発したシステムは既存のまま保持でき、且つデータ入出力の人的負担が軽減できる。
2. 実施内容
2.1 情報の選別及びディレクトリ化のためのメッセージ設計
IMPA ETSF Version 1.0は船舶業界における本船、船社、サプライヤー、メーカーといった受発注の流れをUN/EDIFACT D96aのディレクトリセットを用い、一貫したEDIを可能にする目的で考案されたサブセット。サブセットとは膨大なUN/EDIFACTのディレクトリセットより船舶の物資調達等に必要であろうと思われるメッセージや項目を抜き出し、まとめたものである。この選出作業はIMPAにおいて行われており、その選出されたものを再度弊社にて確認を行った。
今回の調査研究において使用したIMPA ETSF Version 1.0は見積もり依頼から注文までのやり取りを6つのメッセージに表記できるようになっている。
REQOTE (見積もりメッセージの依頼)
QUOTES (見積もりメッセージ)
QTERSP (見積もりの返答メッセージ)
ORDERS (発注メッセージ)
ORDRSP (発注返答メッセージ)
CONTRL (管理メッセージ)