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6. ロンジ配置の合理化(曲り・捩りの最小化)--ロンジのランディング計画

 

● 大手造船所は既に造船CIMを導入し、設計.生産一環システムにより大幅省力化を目指した、高精度、高能率生産を行っている。

小型船造船所においても、CIM導入はともかく、その源流部にある数値現図を導入せざるを得なくなるのはそう遠い時期ではないと想定される。

● 一方、如何なるシステムも、導入に当っては環境の整備、或いは合理化・標準化が必須条件となる。近未来の事態を想定し、今から準備することが望ましい。

● また、現図はコストダウン方策を見出す宝庫と云われる(部材数の削減、部材形状の単純化・標準化等)。上記環境整備と相俟ってコストダウンアイテム発見にも努力すべきであろう。

● ここでは縦構造方式の縦通材配置(ロンジのランディング)について考える。一般に曲り外板付ロンジは(ウエブ面内曲り+ウエブ面外曲り+捩り)を持つが、少なくともこの中の捩り或いは捩りとウエブ面外曲りが排除できれば現図及び工作は楽になる。

一般にはチャインライン、デッキライン等と平行したランディング方式が採られることが多いが、再検討する必要がある。船用押出形材(πセクション)使用の時は尚更である。

(ただし、アルミ小型船のロンジは人力でも曲げ取付が比較的容易なので、コストダウン効果は余り多くはないかも知れない。)

● Fig6.1〜Fig.6.6に通常デザインの実船ランディング例を示す。Fig.6.7(b)は25m型旅客船の実船ランディング(Fig.6.7(a))を、極端な場合として正面線図で直線としたものを示す。

以上諸点を下敷きとして種々検討されることが望ましい。

 

Fig.6.1 100GT旅客船のロンジ配置

058-1.gif

 

Fig.6.2 25m型漁業取締船のロンジ配置

058-2.gif

 

 

 

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