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Fig.6.13 点焼き加熱17)

 

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Fig.6.14 外板の曲げ加工の準備21)

 

(1) 曲がりの強い外板の例

これは、Fig.6.14(a)に示すような外板の場合であり、手順21)を次に述べる。

1]寸法表から見通し型を作る。

2]ローラ線の位置と曲がり量は、Fig.6.14(b)に示す方法で求める。曲がり量は、Fig.6.14(c)に示すA、Eの2箇所を求めるのが普通であるが、ねじれの大きいものは中間のCの量も求めて見当をつける。

3]上ロールに平行にローラ線を合わせ、6.2.2(2)の要領でローラ曲げ加工する。この場合、上ロールを一度に大きく下げず、見通し型を時々当てて曲がり状態をチェックし、曲げ過ぎないようにする。また、船首・船尾の曲がり量の大差のあるものは曲がり量の少ない方から多い方へ順次ロールを下げ、加圧調整する。

4]曲げ終了後、型の見通し線により曲がりを確認する。およその精度がでた時点で、加熱曲げ加工へまわす。

5]荒曲げされた板を定盤の上にセットする。この場合、冷却水が板に溜まらないように、一方を高くする。そして、工具、治具を揃える。

6]各フレームラインに、倒れ止めを使用して見通し型を正しく立て、縦曲がりの状態を調べる。

7]絞り量をチェックして、絞り(加熱)箇所を記入する。記入は、線が消えるのを防ぐために、フレームラインや見通し線上を避けることが必要である。

8]6.2.3(2)の要領で、船首又は船尾方向より部分加熱焼きを上下交互に行う。加熱の長さは、深さの1/2程度とする。終了後、縦曲がりをチェックする。

9]横曲がりをチェックし、曲がりを修正する。各見通し型を正規の位置に合わせ、必要があれば線状加熱も行う。

10]横曲がり、縦曲がりの修正を繰り返す。

11]見通し型を各位置に合わせ、見通しは張り糸を使う。精度のチェック項目としては、横曲がり、縦曲がり、ねじれ、局部曲がりなどが許容範囲にあることを確認する。

12]必要があれば、木坂で製作した骨組に板をセットして、各曲がりの状態を確認する。

13]板の端部周囲に見込んだ不要部分を切断除去する。

(2) 船首外板の例

これは、縦曲がりの比較的浅いくら型の曲げ加工である。扇形に近い形状の板にプレス加工で横曲がりを与えた後、引繰り返して定盤上に木枕、ピン、ドッグ、押え治具などを使用してFig.6.15のようにセットする。縦絞りを部分加熱焼きで行う代わりに、左右対象に切り割りを入れる。切り割りの付け根(ドリル孔)間を線状加熱して、凹形の横曲がりを与えてくら型にする。

Photo.6.5(a)は、加熱曲げ後の横曲がりのチェックを、Photo.6.5(b)は切り割りの状況と線状加熱の痕跡をそれぞれ示す。Photo.6.6(a)は、切り割りをミグ溶接中の写真であるが、溶接による横曲がりの変化を防ぐために、形状に沿った変形防止板を仮付けしてある。Photo.6.6(b)は、余盛を除去し、型合わせして仕上げた外観である。

 

 

 

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