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Fig.7.45 平板の板継ぎ作業用拘束具(両面1層溶接、仮付け溶接あり)の例9)

 

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Fig.7.46 溶接変形の種類

 

溶接変形は、基本的には以下に示すように収縮変形とたわみ変形とに分類され、Fig.7.46に示す。

1) 面内の収縮変形

a. 横収縮:溶接線に直角方向の収縮

b. 縦収縮:溶接線方向の収縮

c. 回転変形:突合せ継手で、溶接の進行につれて開先間隔が開いたり、閉じたりする現象。溶接入熱が高く、溶接速度が遅いと開先間隔は開き、逆の場合は閉じる。

突合せ継手の横収縮は、溶接変形のうちで基本的なものである。収縮量は、施工上の条件に影響されるので共通的な数値を得るのは難しいが、一つの目安がTable 7.31である。簡単にいえば、防橈材一本をすみ肉溶接で付けると、1mm前後縮むとみてもよい。したがって、収縮変形に対しては、あらかじめ縮み代を見込んで、伸ばし又は伸ばし仕上げで材料取りを行う*7.33aが一般的である。縦収縮は、溶接長の1/1,000程度なので、通常の溶接では無視しても差し支えない。回転変形は、現場作業では閉じる例が多く見受けられるので、仮付け溶接なしでミグ自動溶接による板継ぎ作業を行う場合には、Fig.7.47のように扇形に間隔をとっておく*7.34のがよい9)

 

Table 7.31 アルミニウム合金の溶接による収縮量の例(板厚4.5〜16mm)

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注.

(1) 開先形状、ルート間隔、溶接条件等により比較的大きく変化する。

(2) すみ肉の大きさ、溶接する板の寸法、溶接条件等により変化する。

また、断続溶接の場合は、一般にこの数値の約半分程度の収縮量と考えてよい。

 

 

 

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