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7.2 数値現図の工程管理

目的として、作業実施のタイミングを適正に統制する、作業能率を的確に把握する、この2点がある。

 

7.2.1 素材発注と設計出図

とにかく基本データファイルを早期に立ち上げる。短納期への対応、鋼材費の節約に役立つからである。このためフェアリングの期間短縮がキーポイントになる。

基本データを使って:−

(1) 素材発注

曲りブロックの外板とロンジを概略展開して、歩留りのよい注文寸法を出す。このためにランディングシステムに所要素材計算プログラムを付属させて、ストック材があれば、その引当てができるランディングにする。

(2) 構造断面の外郭作画

船殻ヤードプランの下図が自動作画でき、これに付加して描いた内構形状は正確で、余裕を押えた所要材採寸ができる。

(3) 鋳物発注

スターンフレーム、シャフトボッシング、アンカーベルマウスなど、早期手配のための板図用現尺線図の作画が出せる。

 

7.2.2 現図作業の管理

数値現図での作業の着手/完了ならびに就業状況は、作画現図のような報告や調査は不要で、自動的にコンピュータにログ:履歴記録されるようにできる。

また、通信ネットワークで繋いであれば、作業場所が分散していても、常時進行状況が把握できる。作業している人は見えないが、作業は見えるのである。

 

作業管理は、どの仕事でも言えることだが、完了確認では手遅れになりやすく、着手時期と作業量の予定指示ならびに追跡が肝要であるが、数値現図では、その点でも便利で確実に行える。

 

作業管理量としては、別冊『原寸型・定規』に説明しているように、処理部品点数がよい。

作業分担は、皮板・条材・内構などの種別とせず、原則はブロック単位としたい。ブロック特性毎に「生産性推移表」を設け、能率向上の度合いを評価する。

生産性推移表とは、横軸に暦日をとり、縦軸に[工数(価格)/部品数]つまり能率係数値を、予定/実績に分けて記録してゆく管理帳票である。実績の予定に対する差や、生産性向上カーブからの外れが大きいときは、参考に事情を追記しておく。

 

 

 

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