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6. NC切断システム

 

作画現図での型作成は、数値現図ではNC型作画となり、型作画までは1次現図の範囲であるが、型作画はNC型切断の前段と等しいので、本章でまとめて解説する。

数値現図とは、やや遠いハードウェアの内容にも立ち入るが、NCデータの互換性につき理解を得るための範囲に限る。

 

6.1 NC切断機

NC:数値制御は、はじめに[図1.1.3 NCの概念]で説明した、加工するものの形状と作業のプロセスを入力する工作機械の自動制御法で、産業ロボットも回路の論理の上では、なんら異なるところはない。

 

NCの例を、平面作画などXY(同時)2軸の[6.1.1 数値制御]にて説明する。(括弧内の同時とは、はじめにも紹介しているが再説すると、縮尺線図読取り用のアナライザーなど、XYを1軸づつ繋時的に制御する装置と区別する時に補う用語)

NC装置は:−

1]入力部:"NCフォーマット"としたデータ読み込み部である。図では紙テープ様式となっているが、イメージを示したもので、実際には、単独オフラインではフロッピー、複数機の群制御では直接オンラインとなってきた。

オン/オフラインとは、NCデータが情報通信ネットワークに繋がっているか、切れて情報媒体を介した受け渡しになっているか、…の区別をいう。群制御:グループコントロールとは、各NC機の作業割当を、更に上位システムで管理するシステムで、群管理ともいわれる。

ここで自由曲線:タブシルは、図に見る通り、近似した円弧と直線に圧縮して入力しているが、理由は後述するNCフォーマットの表示方式にある。

2]演算部:"NC(DDA)"(DDA:Digital Differencial Analizer)とある計算機能で、円弧や直線で入力された図形情報を補間によりNC点列:パルスに分割し、XとYのパルスに分配する働きをする。

3]ドライバー回路:"NCドライバー"の部分で、X/Y別のパルスに応じた回転量(D/A:Digital/Analog変換〜アンプ)をタイミングに合わせ(入力をバッファレジスタに蓄えては小出しし)て供給し、(TGとPGで)フィードバックを取りながら、

4]各X/Yサーボモーターを駆動する

…ようになっている。

ただし、このシステム構成は標準的なもので、マイコン技術の発達により論理回路がプログラムに置き代わったり、上位のNCフォーマット作成システムとNC演算の融合が進んできたりしているので、概念として理解しておく方がよい。

 

 

 

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