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4.3.1 ロンジの展開と捩れ型

作画現図を説明した別冊『現図展開』のロンジ展開は、正面線図での中性軸位置を押えて、ロンジ長のほぼ中間にあるFr.Lでのロンジウェブ線を基準に、捩れを取るように首尾方向のウェブ線を回転して平行に置く。つまり側面/平面曲りだけのロンジと仮定し、基線展開を施している。捩れあるロンジの場合、正確には外板展開と同様に測地線展開、タスキ送り、マカネ送り…により展開計算を行うべきであるが、手間が掛かるので、中性軸そのものの展開に代えたのであった。一般に捩れロンジの加工は、側面曲げは自然曲りで済むとして、横押しプレスで平面曲げを行った後に線条加熱により捩れを付ける。その逆を辿る略式展開にしたのである。

この場合、正面線図展開の外板の曲げ加工と同じく、正面なりにロンジ捻れ型を作るが、見透線の落ちが大きく、水平見透の木型にしていた。それでも別冊『原寸型・定規』「曲げ条材」の項に記したように、展開精度を高め自在捩れ治具型適用にするには、数値現図の登場を待つしかなかった。

 

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図4.3.1 ロンジ展開要領

 

本書の事例とする数値現図サブシステム:P-LONGLでは、その展開計算に[図3.3.1 撓鉄定盤と単板切直し]で見た「切直しフレーム線による測地線展開」が応用されている。

その概念を[図4.3.1 ロンジ展開要領]に示す。

 

ロンジウェブ面の展開は、外板の単板切直し展開と同じ手法にて行われている。

外板より計算が簡単なのは、横曲りのない平捩りで、ウェブ幅は材料寸法で決まり、首尾端は後述するようにパターン化できるから、[図3.3.3 外板形状切り抜き]のような細工は不要なことである。平面形状展開といっても、単に捩れ中心線の測地展開基線からのオフセットを求めれば足りる。

 

ロンジ部品の加工精度は、捩れ型による見透し確認により決まる。

P-L0NGLでは、捩れ型として:−

●従来(作画現図の延長)通り、正面Fr.Lなりの型と

●外板付Fr.L位置で切り直した型の

…どちらかを、選択することができる。

 

 

 

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