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図の1]〜6]はシテム処理の順番で、左がブロック工程、右が単板工程…の2つの流れに別れている。「単板」とは、板一品毎の意味で、板継ぎされるブロック毎と区別する呼称である。ブロック工程の方を先行するのは、組立に必要な情報を単板にマーキンしておくためである。

 

3.2.1 インターフェイス・ファイル作成

前章の現図諸寸法プログラムで、インターフェイス:I/Fを名乗る働きを説明したが、このシステムでも、まずは基本データファイルへの接続で、ブロック組立工程と単板加工工程の2つの流れの源泉「治具計算用I/Fファイル」及び「P-SHELL I/Fファイル」を準備している。

これら I/F部分を電気器具の電源接続に例えれば、昇/降圧機能のあるプラグ/ソケットに相当する。このI/F部分を改めれば、外板システム全体を単独に使ったり、異なる親システムに繋いだりできる。ここで親システムとは、メイン・システムともいい、基本データファイルを生成し、内容形態を異にする船殻システムの「幹」を指していて、外板システムなどの子システムは「枝」と見做される。

 

3.2.2 外板切直し

現尺/縮尺の作画現図で、船体前後部の船底立上がり、船首尾端のFr.Lの落ちの大きいところ…などに特定されていた「切直し」を、普遍的な数値処理で曲り全体に拡張するのである。

 

例え話から入ろう。

[図3.2.2 矩形柱の切断面]で、切り口の平面には、A・B・Fとある。この矩形柱を船体と見做そうか。Fは中心線に垂直な横断面、Bは船底面に垂直で中心線に斜交する面、Aは自由に決めれる傾斜面である。Aの船底面との傾斜角が直角になるとB、Bの中心線との斜交角が直角になるとF、つまりBもFもAの特別の場合で、Aがすべての場合を含む一般的な切り口と言える。

そこで船の切直しであるが、F切断=正規のFr.L面で正面線図そのもの、作画現図では「B面=W.L線図で1線になった面」でしか切直しできなかった。

正確に言うと、できないわけではないが、やろうとすると恐ろしく手間が掛かり、やっておれないのである。

 

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図3.2.2 矩形柱の切断面

 

 

 

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