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第3章 測定方法の検討

 

3.1 熱分析

 

本試験前に各試料について密封容器熱分析(SC-DSC=Sealed cell-Differential Scanning Calorimetry)を実施し、熱容量、開始温度及び発熱量の情報を得、比熱容量の算出及びARC測定条件における試験試料量の決定のための参考とした。比熱容量の算出は、「プラスチックの比熱容量測定方法(JIS K 7123)」に従った。

 

3.1.1 結果

熱分析で得られた比熱容量、外挿分解開始温度(TDSC)、発熱量(J/g)を表2.に示す。

 

表2. 熱分析結果

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3.2 ARC測定

 

3.2.1 試験方法

表2.より、総熱量が1500Jになるように試料量を定め、試験を実施した。

 

3.2.2 熱慣性補正(φ)

ARCでは試料自身の温度ではなく、試料容器側面の温度を測定しているので試料の発熱の一部は試料容器に吸収される。そのために、補正が必要である。これを熱慣性補正と呼び、その補正係数(φ)は、下記関係式より求められる。

(φ)=(Mb×Cb+Ms×Cs)/(Ms×Cs)=1+(Mb×Cb)/(Ms×Cs)

ここで、M:質量(g)、C:比熱(cal/(g・K))、添字のb:ボンブ、s:試料を示す。

Csは、前述のDSCからのデータを採用。

Cbは、チタニウム:0.12cal/(g・K)、ハステロイ:0.10cal/(g・K)、SUS316:0.12cal/(g・K)を使用した。

本研究で実施した試料の比熱及び試料量、ボンブ重量及び熱補正係数(φ)を表3.に示す。

 

 

 

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