日本財団 図書館


[参考2] コンテナインスペクションプログラムについて

 

1. 概要

コンテナインスペクションプログラムとは、危険物のコンテナのIMDGコードへの適合を検査するため、ターミナル等においてコンテナを開放し、容器、標札、積付方法等を検査するものであるが、欧米諸国においては、1980年代半ばより、コンテナインスペクションプログラムが実施されている。これら欧米諸国で実施されたプログラムの結果は下表のとおりIMOにも報告されているが、その違反率が高かったため、1995年(平成7年)6月、IMOの海上安全委員会(MSC)は危険物を運送するコンテナ等を対象としたインスペクションプログラムを実施し、コンテナの仕出し国別の違反状況を含む結果をIMOに報告することを加盟国に要請した。

 

030-1.gif

 

2. 米国コーストガードの実施するコンテナインスペクションプログラム

1994年5月、米国は、コンテナ化された危険物によりもたらされる危険性の増加に対応し、安全基準への適合性を確保するため、コンテナインスペクションプログラムを開設した。

このプログラムのため、51名のコンテナ検査官が26箇所の事務所に配置され、平均約500個/月のコンテナが検査されている。(図参照)

具体的には、コンテナ検査官がコンテナヤードに行き、危険物コンテナの外側及び扉を開放してコンテナの内部について、容器、包装、標札、積載方法等を、チェックリストを用いて検査を行っている。違反があった場合には、コンテナの前後に「OUT OF SERVICE」等のラベルが貼られると共に、荷主等に連絡され、違反が改善されるまでコンテナの運送は行えない。なお、この検査は、輸出及び輸入コンテナの両方について実施されている。

 

3. 我が国におけるコンテナインスペクションプログラム

我が国においても、平成8年6月に行った米国コーストガードにおけるコンテナインスペクションプログラムの実施方法等に関する調査を踏まえ、MSCの要請に応えるべく、平成9年度7月から関東運輸局において、平成10年度4月から近畿運輸局において、同10年度10月から神戸海運監理部において、それぞれ関係業者の協力を得てコンテナインスペクションプログラムを試験的に実施しているところである。今後とも、MSCにおけるコンテナインスペクションプログラム実施に関する審議等を踏まえ、我が国におけるコンテナインスペクションプログラム実施について検討をすすめる。

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION