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1.3 規則の適用範囲

1.3.1 適用

船舶による危険物の運送及び貯蔵並びに常用危険物の取扱いに関しては危規則が適用されるが、ここでいう船舶とは社会通念上の船舶の概念に入るものは総て包括され船種、推進機関の有無を問わず総ての船舶を対象とし、日本船舶は勿論のこと日本の領海内にある外国船舶にもその適用が及ぶ。また、日本領域外にある日本船舶にあっても危規則が適用される。

1.3.2 荷送人、船長の義務

危規則では、容器に収納された危険物を船舶に積載して運送するという基本原則に基づき、危険物の容器、包装、表示等については荷送人に、当該危険物の船舶への積載方法等については船長に対してそれぞれ義務規定を設けているのがその基本的姿勢である。ただし、危規則が危険物を船舶により運送又は貯蔵に係る安全確保に関する行為規制を行っていることから、条文中に明示されている場合を除き、その規定事項に係る行為者は何人も規制の対象者であるといえる。

1.3.3 運送形態等

危規則は、危険物の運送形態に対応して、個品運送とばら積みによる運送とに大別して、その運送基準を定めて安全規制を課している。

 

1.4 「危険物」の定義

1.4.1 「危険物」

「危険物」という語は他の法令においても用いられているが、それぞれの法令でその定義が定められており、その法令の目的により「危険物」の定義も異なるものであるが、危規則ではその第2条において「危険物」とはいかなるものであるかが、次のとおり定められている。

1.4.2 各分類の定義

危険物(ばら積みについては後述。1.5.8)は、次に掲げるものをいう。

(1) 火薬類 : 火薬、爆薬、弾薬、火工品その他の爆発性を有する物質で、第23条第1項各号に掲げるもの及び告示で定めるものをいう。

(2) 高圧ガス : 摂氏50度で圧力0.30メガパスカルを超える蒸気圧を持つ物質又は摂氏20度で圧力0.1013メガパスカルにおいて完全に気体となる物質で、告示で定めるものをいう。

(3) 腐しょく性物質 : 腐しょく性を有する物質で、告示で定めるものをいう。

(4) 毒物類 : 次に掲げるものをいう。

(イ) 毒物 : 人体に対して毒作用を及ぼす物質で、第83条に定めるもの及び告示で定めるものをいう。

(ロ) 病毒を移しやすい物質 : 生きた病原体及び生きた病原体を含有し、又は生きた病 原体が付着していると認められる物質をいう。

(5) 放射性物質等 : 放射性物質(イオン化する放射線を自然に放射する物質をいう。以下同じ。)及び放射性物質によって汚染された物であって、毎グラム74ベクレル以上の放 射能濃度を有するものをいう。

 

 

 

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