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円錐貫入試験では、最初に円錐を供試体の上面の中央付近にセットし、毎秒約1 cmの速さで先端の深さが15 cmに達するまで円錐を貫入させ、その際に要する最大の力を記録する。この力を最大円錐貫入力と呼ぶ。

 

3.3 試験回数と代表円錐貫入力

試料の最大粒径を19 mmに調製しても、比較的大きな粒子による円錐の貫入に対する拘束により、最大円錐貫入力が大きくなる場合がある。こうした現象が試験結果の再現性に及ぼす影響を少なくするためには、試験を繰り返し実施し、適切に代表値を決定する必要がある。試験の繰り返し回数及び代表値の取り方を決定するため、同一の試料について30回の円錐貫入試験を実施した。なお、円錐貫入試験の供試体は、前述の方法で試験毎に形成した。

試験は、比較的大きな粒子を多く含むBoakaine鉱を用いて、水分値を変えた二つの試料について実施した。各試料について、試験の最初(第1回目の円錐貫入試験用供試体)と最後(第30回目の円錐貫入試験用供試体)に水分値を計測した。結果を図3.3.1に示す。図の横軸は実験番号、縦軸は最大円錐貫入力であり、図中の白丸及び黒丸は、それぞれ平均水分値23.0 %及び24.5 %の試料に関する計測結果である。直線は、最小二乗法により求めた最大円錐貫入力のトレンドである。各最大円錐貫入力のこの直線上の値に対する比率の度数分布を図3.3.2に示す。なお、実験により得られたデータを、別紙3に示す。

 

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図3.3.1 円錐貫入予備試験結果

 

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図3.3.2 移動平均に対する比率の度数分布

 

図3.3.2より、最大円錐貫入力は、円錐の貫入に対する試料中の比較的大きな粒子による拘束により大きな値を示すことはあるが、一定以上に低くなることは無いと言える。

 

 

 

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