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第2章 研究の概要及び成果

 

ニッケル鉱荷崩れ危険性評価試験法の開発に係る研究内容は、試験法の仕様の決定、危険性判定のクライテリアの設定及び試験法マニュアルの整備に大別できる。

試験法の仕様を決定する際の問題点の一つは、代表値(代表円錐貫入力)の取り方及び試験の繰り返し回数の決定であり、この点については実験的に研究した。試験法の仕様の決定に係る主な研究項目は以下の通りである。

(a) 新試験法の基本仕様の決定

(b) 代表値の取り方及び試験回数決定のための試験(円錐貫入予備試験)

(c) 新試験法決定のための検討(予備試験に基づく考察)

危険性判定のクライテリアの設定のためには、1]試料の基礎的特性を把握するとともに、2]試料の水分値と剪断強度の関係を計測し、3]荷崩れが危険となる剪断強度試験用試料の水分値(水分値の一次クライテリア)を解析し、4]この水分値をニッケル鉱荷崩れ危険性評価試験用試料の水分値(荷崩れ限界水分値)に換算し、5]水分値と代表円錐貫入力の関係を計測し、6]荷崩れ限界水分値に対応する代表円錐貫入力を求めてクライテリアを設定した。危険性判定のクライテリアの設定に係る主な研究項目は以下の通りである。

(1) 試料の基礎的性質の把握

(d) 真密度計測

(e) 粒径分布計測

(2) 試料の水分値と剪断強度の関係の計測

(f) 一面剪断試験

(3) 荷崩れが危険となる剪断強度試験用試料の水分値の解析

(g) 荷崩れ数値解析(剪断強度に基づく荷崩れ危険性の解析)

(4) 荷崩れが危険となる水分値の換算

(h) 粒径調製に対する水分値換算のための試験

(5) 水分値と代表円錐貫入力の関係の計測

(i) (決定された仕様に基づく)新試験法の実施

(6) 代表円錐貫入力のクライテリアの設定

(j) 代表円錐貫入力クライテリアの検討

併せて、試験法のマニュアルを整備した。マニュアル整備に係る主な研究項目は以下の通りである。

(k) 新試験法マニュアル原案作成

(l) マニュアル推敲のための試験

上記(a)〜(l)の項目に基づく研究の流れを図2.1に示す。なお、各種試験方法やばら積み貨物に関するパラメータの説明を別紙1に添える。

 

 

 

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