まえがき
本報告書は、運輸省海上技術安全局の指導の下、日本財団の補助を得て、「危険物の海上運送に関する調査研究」の一貫として、IMO対応委員会の下に特殊貨物部会(部会長:浦環教授(東京大学生産技術研究所))を設けて平成9年度から11年度の三カ年にわたり実施した「粘着性ばら積み貨物の安全運送に関する研究」の内容を別冊としてまとめたものである。委員会の構成等についてはIMO対応委員会の報告書を参照されたい。
本報告書は、本文、付録及び別紙により構成される。本文では主な研究成果について述べる。付録には、開発した試験法のマニュアル及び研究内容の補足説明を記載し、別紙として実験結果の詳細等を添付する。
本研究における主たる作業は、浦部会長の監督の下、船舶技術研究所太田委員の指導・協力を得て、社団法人日本船舶品質管理協会船舶艤装品研究所が実施した。試料の分析の一部は弊会理化学研究所が、数値解析は船舶技術研究所が、検討の一部は東京大学生産技術研究所が実施した。揚荷役現場における試験、現地調査(付録2参照)及び実験用試料の手配に際しては、日本鉱業協会八住委員を通して、大平洋金属株式会社、日向製錬所株式会社及び日本冶金工業株式会社にご協力いただいた。IMO対応委員会及び同特殊貨物部会の皆様、関係者の皆様及び日本財団に謝意を表する。
