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信用状(Letter of Credit)の取引は、電子化された保険証券をかならず必要とする取引であり、損害保険会社として事態は深刻です。国際商業会議所に信用状(Letter of Credit)の保険条項欄のパターン化・標準化に向けた取組ならびにバイヤーとの窓口たる開設銀行に改善指導をお願いしたいと思います。

 

7-1.保険関係の電子化

 

Q7-1-4:現在、契約者と損害保険会社が相互に署名しているCountersigned Certificateの取り扱いは電子化後どの様になるのですか。

損害保険会社が、契約者より保険申込を受領して保険証券を作成して契約者に届けていたのでは物理的にも時間的にも間に合わない契約者、つまり取引の関係上どうしても発券を急ぐ必要のある契約者を対象にCountersigned Certificate方式は採用されています。見た目に契約者と保険会社が相互に署名しているCountersigned Certificateも、実は損害保険会社が事前に書名をしたCertificateを契約者に預けており、契約者は必要に応じてCertificateを作成して書名発行しています。付随業務としてCertificateの管理状況(書名権者の登録/台帳管理/使用枚数と在庫数)を定期的に損害保険会社に報告しなければなりません。

【電子化後は】

Countersigned Certificate方式は、紙の世界に於いて、取引の関係上どうしても発券の即時性を必要とする場合のやむを得ない処置であることはご理解いただけたと思います。保険申込が電子化されれば、瞬時のデータ交換により即時性は確保されますから、Countersigned Certificateと言った特殊な対応はなくなると思われます。

契約者から送信された保険の申込データは、損害保険会社の社内システムに自動接続され、顧客別契約管理データとマッチングされ、電子保険証券が生成され、電子署名付きで契約者に返信されると考えます。

 

 

 

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