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4-6.権利・義務関係

 

Q4-6-1:電子B/Lは、所謂「B/Lの危機」の解決に役立つと言われていますが、B/Lが電子化すれば、本当に保証渡し問題が解決されるでしょうか?

確かに、保証渡しの件数は減るでしょうが、保証渡しが行われる理由は、単にB/Lが延着するからばかりでは有りません。実は、売買契約当事者間の紛争による代金決済の遅延等が背景にある場合も多い様です。その様な場合は、たとえ電子B/Lになっても、貨物の到着迄に荷渡可能な状態とはならず、運送人が、「貨物を保管して置くべきか、それとも、保証渡しするべきか」悩まねばならない事態は変わりません。

海運業者にとっては、保証渡しの問題が顕在化するのは、実はこの様な荷送人/荷受人/LC銀行等の間にトラブルが有る場合や、保証渡しした後、CARGO RECEIVERが貨物代金を支払わぬまま破綻する様な場合で、それ以外の場合では、保証渡しを減らすことは(事務処理量の観点からは兎も角)RISK MANAGEMENTの面では、余り実益は無いかもしれません。

 

 

 

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