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2]従来、EDIは業界毎、あるいは国、地域毎に発展してきたので、異業種間の送受信の方式やデータ項目の標準化は、一部の例外(注1)を除いては、なかなか進展しませんでした。

(注1)国際的には1980年代後半から推進されているUN/EDIFACTがデータの最小構成要素まで踏み込んだ標準化を行っています。我が国では、荷主と海運・港湾を結ぶS.C./S.F.ネットや、荷主と国内物流業者を結ぶ「物流EDI」がありますが、残念ながら普及率は高くない状況です。 

TEDI(貿易金融EDI)では、荷主、銀行、保険、運輸の各業種の代表的企業が参集し、実業務に基づいて多くの段階の標準化を目指しています。これによって、例えば信用状と各種文書(信用状に要求される船荷証券、インボイス、パッキングリスト、原産地証明書その他)間の整合性を自動照合したり、契約書の主要項目({取引基本情報}と呼びます)をその後に展開される各種文書に自動転記したりすることが可能になります。

従来のEDIでは、一定の社内システムを保有していることが前提とされてきました。

少なくともUN/EDIFACTを利用してEDIを行うためには、EDIを理解することに加え、一定の取引規模(件数)があることが不可欠でありました。だから、取引件数の少ない中小企業は容易にEDIに参加できないことになります。EDIをあきらめるか、無理をしてでも取引を維持するために努力するかしかなかったと言えます。

しかし、インターネットは状況を一変させました。安価で簡便な通信手段とweb画面による簡便な入力手段が提供されました。入力画面は以前から存在はしていましたが、現在の画面の方がはるかに良くできていて、期待通りのデータが送受信されるようになっています。

また、XML(別項参照)を利用することで、従来と比較するとはるかに柔軟にEDIを開始できる条件が整備されつつあります。

 

2-2. 各業界(荷主・船社・銀行・損保)のメリット及び課題

 

Q2-2-1:貿易に関連する各業界にとってどのようなメリット及び課題がありますか <総括>

貴方が属している業界によって、発生する問題点等が若干異なります。 次のようなポイントが指摘されています。

どの業界についても当てはまるのは、取引が電子化することによるメリットでしょう。

 

 

 

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