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一方、大都市圏の鉄道については、依然として厳しい状況にあるラッシュ時の混雑緩和を図り、快適な通勤・通学を実現するため、新線建設、複々線化、貨物鉄道の旅客線化等の輸送力増強が推進されています。

地方中枢都市及び地方中核都市においては、地下鉄、モノレール、新交通システム、ライトレールトランジット等の鉄軌道系交通機関について整備が進められています。

さらに、利用者の利便性・快適性の向上等を促進するとともに、ソフト面の対策として、通勤時に集中する需要の平準化を目指して、「オフピーク通勤」を進めるための施策が展開されています。また、旅客鉄道では、各種割引乗車券の販売も行われています。

 

●モノレール、新交通システムの整備区間

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コラム

団地住民の新しい交通手段 〜スカイレール〜

「スカイレールみどり坂線」は、広島県広島市安芸区にある「みどり坂団地」とJR山陽本線瀬野駅を結ぶ新しい交通システムです。

この団地は平成元年に着工され、人口約1万人の自然環境に恵まれた団地ですが、最寄り駅のJR山陽本線瀬野駅と100メートル離れた団地入口とは高低差が40メートル、最奥まで約2キロメートル地点との高低差が190メートルという勾配の厳しい地形となっています。

従来、このような団地における住民の交通手段は自家用車が中心でしたが、この発想を転換し、住民の交通利便性向上のため、このような厳しい地形に適合する交通システムが模索された結果、採用されたのがスカイレールシステムです。

急勾配でも安全に走行できるよう、ロープウエイの技術を使い、さらに懸垂型モノレール、リニアモーターカーの技術を採用して設計されたスカイレールシステムは、平成10年8月の営業開始以来、団地住民の新しい交通手段として活躍しています。

また、定期券には非接触式電子カードを採用し、使用後も回収して再利用ができるようにするなど、環境に配慮したものとなっています。

 

勾配を上昇中

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資料提供: スカイレールサービス株式会社

 

 

 

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