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■各温室効果ガスの地球温暖化への寄与度

IPCCによれば、メタン、亜酸化窒素、フロン等の一定量当たりの温室効果は二酸化炭素に比べはるかに高いものの、二酸化炭素の排出量が膨大であるため、結果として、産業革命以降世界全体において排出された二酸化炭素の地球温暖化への寄与度は、温室効果ガス全体のうち約64%を占めているとされています。

また、我が国においては、二酸化炭素の地球温暖化への寄与度は、温室効果ガス全体のうち約92%(1995年)と非常に高くなっています。

 

●温室効果ガスと地球温暖化係数(積算期間100年)(*1)

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■大気中の酸化炭素濃度の推移

大気中の二酸化炭素濃度は、植物の光合成等により、1年を周期として変動しており、この変動は植生の違い等により場所ごとに異なっています。

二酸化炭素の濃度は、18世紀後半の産業革命以前は280ppmv程度で安定していました。しかし、その後は急激な工業生産活動等の発展に伴って増加し、1990年代には350ppmvを超え、現在も1年に約1.5ppmvの割合で増加し続けています。これが、21世紀末に1990年に比べ地球全体の気温が約2℃、海面が約50cm上昇するといわれる所以です。

「気候系に対して人為的干渉を及ぼすこととならない水準」の二酸化炭素濃度についてはさらに議論が必要ですが、当面の長期目標の目安としては、産業革命以前の濃度の約2倍(550ppmv)に安定化することが提案されています。現在、我が国の1人当たり二酸化炭素排出量は約2.5トン/年(炭素換算)ですが、IPCCの第2次報告書の分析等によれば、上記目標を達成するためには、21世紀末に世界全体の平均1人当たり排出量を1トン/年以下に抑えなければならないとされています。

 

●地球温暖化による海面水位上昇量の予測(2100年頃)

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資料: 気象庁「地球温暖化予測情報 第1巻」

 

●世界の代表的な観測点における二酸化炭素濃度の変化

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資料: 気象庁

 

 

 

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