(2) 電子請求書(e請求書)の設計の方向性
現段階では電子請求書を扱うソフトウエアは開発されておらず、電子請求書の標準仕様も定められていない。つまり電子請求書のシステムは、一から作成することになる。このため、フラミンゴの決済システムで作成する電子請求書を「e請求書」と名付ける。
電子請求書は、ネットワークを介してデータをやりとりするものであるため、現在インターネット上で利用できる言語の中で、自由度の高いXML(eXtensible Markup Language)を利用して構築することを検討する。
1] XML(eXtensible Markup Language)について
XMLとは、インターネット上で情報(構造化文書)を発信するための言語である。言語構造は、基本的にタグ(<title>..</title>や<h1>..</h1>等)と、それらに囲まれた文字列(テキスト)で構成されている。現在、インターネットのホームページ等を記述する言語としてHTML(Hyper Text Markup Language)が主に用いられているが、XMLはHTMLと言語構造を共通にしている。
XMLとHTMLとの大きな違いは、HTMLはタグがあらかじめ定義されていることである。つまり、HTMLでは誰でも簡単に文書(ホームページ)を作成することができるが、その表示、印刷などのほとんどの操作をブラウザに依存しているため、表現に限界がある。
XMLは、設計者が自由にタグを定義(例えば、<請求先企業>..</請求先企業>や<請求金額>..</請求金額>)できるので、幅広い表現が可能である。XMLはデジタル文書の業界標準になりつつあり、開発環境や各種のツール類も今後ますます充実*1してくることが予想されている。
【XMLを利用したデータ標準化動向】
JEPAX(印刷業界で決まった文書交換フォーマット):日本電子出版協会
RDF(メタデータ表現)・W3C(World Wide Web Consortium)
MathML(数式表現)・W3C
SMIL(マルチメディアデータ統合の枠組として)・W3C
CDF(プッシュ型コンテント配送技術)・Microsoft
*1 XMLに対応したWebブラウザとしては、InternetExplorer5.0があるが、NetscapeNabigatorはバージョンが5.0から対応を予定している。XML文書作成としてはMicrosoft社のOffice2000が対応している。