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(2) 国内事例

日本でも、最近になって鉄道車両に自転車を持ち込む事例が徐々に増えてきているが、車両等の施設を自転車持ち込み用に改造したケースは全国的にはまだ少ない。自転車持ち込みが可能な列車を常時、もしくは定期的に運行している国内事業者の現状を紹介する。

A.JR北海道

JR北海道は、函館線の白石〜ニセコ間、釧網線の釧路〜川湯温泉間、石北線・釧網線の北見〜知床斜里間、函館線・留萌線の旭川〜増毛間、函館線の函館〜大沼公園間の5路線で、夏季を中心に自転車持ち込みを実施。各線では自転車持ち込み用車両の床に簡易固定金具を設置している。白石〜ニセコ間の車両は、ロングシート前および通路部に固定金具を設置し、収容台数は1両当たり20台。釧路〜川湯温泉間は、座席を一部撤去して金具を取り付け、同13台を収容。その他の3路線は、座席をすべて撤去して同22-24台の収容スペースを設けている。

B.富士急行

2両編成のうち1両の半分を自転車専用とし、取り外し可能な防護柵で区切って6台まで収容できる。自転車の固定法は、ロングシートと平行に固定金具を取り付ける。

C.三岐鉄道

ホームに段差がある駅にはスロープを設置し、近鉄富田駅(近鉄との共同駅)以外は全駅でスロープ化を達成。また、一部の駅では自転車を通りやすくするため、改札口の拡幅も行った。車両改造はとくになし。

D.熊本電気鉄道

車両などの施設改造はないが、車椅子用スロープを自転車持ち込みに転用。

E.会津鉄道

車両などの施設改造はないが、迷惑防止のため自転車専用車両を連結。車椅子用スロープを自転車持ち込みに転用。

F.一畑電気鉄道

車両などの施設改造はないが、車椅子用スロープを自転車持ち込みに転用。

 

 

 

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