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まえがき

 

本報告書は、「鉄道車両内への自転車持ち込みに関するモデル事業」についての実施結果をとりまとめたものである。

地球温暖化対策として、公共交通機関の利用促進、特に、環境・エネルギー面で極めて優れた公共交通機関である、鉄道への利用転換は、重要な施策である。鉄道の利用を促進するソフト施策の一環として、また自転車利用促進の面からも、鉄道車両内への自転車持ち込みの推進は、重要な手段と考えられる。

政府の地球温暖化対策推進大綱においても「化石エネルギーを消費しない自転車利用の促進のため、(中略)鉄道車両への自転車持ち込みを可能とするなど自転車利用の拡大につながる社会環境の整備を行う」こととされている。こうした試みを推進するために、平成10年度に、JR北海道、JR四国、三岐鉄道および富士急行にご協力を得て、モデル事業による調査の実施、問題点の検討等を行った。

これを踏まえ、本年度は自転車持ち込みの可能性をより広く究明するため、比較的都心部に近い生活型特性の高い線区でモデル事業を実施した。具体的には、近畿日本鉄道、福岡市交通局、松浦鉄道、JR九州各社のご協力を得て、モデル事業を実施し、当該施策についての課題等を利用者、施設面、行政など幅広い観点から追求し、自転車持ち込み施策についての提言を検討した。

調査にあたっては、学識経験者、鉄道事業者、関係省庁の方々等からなる「鉄道車両内への自転車の持ち込みに関するモデル事業委員会」を設け、指導・助言を得ながら推進した。本委員会の中村委員長をはじめ、委員の皆様方、モデル事業を実行していただいた鉄道事業者の方々、ならびに調査にご協力を頂いた沿線自治体の首長の方々の他、多くの皆様方に深く謝意を申し上げる次第である。

本報告書が、鉄道事業者ならびに関係各位の取り組みへの一助となれば幸いである。

 

平成12年3月

交通エコロジー・モビリティ財団

会長 大庭 浩

 

 

 

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