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4.2 大気と海洋の二酸化炭素の濃度差

 

大気と海洋の間の二酸化炭素の交換は、大気中と海水中の二酸化炭素の濃度(正確には二酸化炭素の分圧)差が、その原動力となり起こっている。したがって、海水中の二酸化炭素濃度から大気中の二酸化炭素濃度を差し引いた値(以下ΔpCO2と記す)が、負のときは海洋が二酸化炭素を吸収し、正のときは海洋が二酸化炭素を放出する。そして、海洋が吸収・放出する二酸化炭素の量はΔpCO2と海上の風速に依存して変化する。

大気中と海水中の二酸化炭素濃度の差を図4.2-1に示す。(図4.2-1は各観測航海の航路上に、緯度経度1度毎に平均したΔpCO2を棒グラフで示している。青色の棒グラフは大気から海洋へ二酸化炭素を吸収することを、赤色の棒グラフは海洋から大気へ二酸化炭素を放出することを表わしている。)

大気中の二酸化炭素濃度の変化は海水中の二酸化炭素濃度の変化に比べて小さい。このことから、ΔpCO2の変化は主に海水中の二酸化炭素濃度の変化によるものである。各航海毎の海水中の二酸化炭素の変化については4.1項で示したとおりである。

 

 

 

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