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2.2 二酸化炭素測定装置

 

二酸化炭素測定装置(日本アンス株式会社製 MODEL 3050)は気象研究所タイプのものを採用した。二酸化炭素測定装置はポンプ部、バルブ部、除湿部、分析部、制御部及び平衡器で構成している。海水中の二酸化炭素測定のための平衡器はシャワー方式である。平衡器は室温の影響を最小限にするよう二重構造とし、外側に海水を流して内部のシャワー部分を海水の温度に保つようにした。分析部の検出器には非分散型赤外検出器(NDIR)を使用している。大気および海水試料の測定間隔は任意で設定することが出来、将来の高い測定密度の観測にも対応可能である。標準ガスは気象庁で「WMO mole fracion scale」で検定された、異なる4濃度の標準ガス(272ppmv、330ppmv、360ppmv、405ppmv)を用いた。なお、標準ガスの濃度は船舶搭載の前後に検定を行い、その濃度変化を補正して二酸化炭素濃度の算出に使用する。

平衡器の気相、液相の温度および非分散型赤外検出器による測定時の大気開放圧力(測定時の気圧)を測定環境のパラメータとして測定記録した。

位置情報については分析部の測定と連動して記録することが出来るように組み込んだ。

除湿部は電子冷却器、パーマピュアドライヤー及び過塩素酸マグネシウムを直列でラインに配置し、水蒸気による測定誤差を除去した。

安全装置としては、平衡器の水位上昇にともなう分析部への海水流入を防ぐため、フロートスイッチによる水位監視機能を組み込んだ。二酸化炭素測定装置の系統図を図2.2-1に示す。

 

2.3 水温塩分測定装置

 

シーバード社製 SBE 21 Seacat Thermosalinographを海水ラインに接続した。本装置は海水ラインから供給される海水をウォータジャケットに導入し、水温・塩分をそれぞれ独立したセンサーで高精度に測定することができる。測定間隔は任意に設定することが可能で、通常5分間隔で行う。位置情報はジャンクションボックスを経由してGPSシステムから取得し、水温・塩分データと共に記録保存した。

 

2.4 船底水温測定装置

 

安立計器株式会社製 モデルAM-7002型データ・コレクター及び、温度センサー529E型クロメル−コンスタンタン熱電対センサーを用い、極薄の温度センサーを断熱処理をして、本船のシーチェスト直上の取水配管に直接貼り付た。加えてその付近の室内温度を測定するため、もう一つの温度センサーを配管から10cm程度離して設置し、付近の温度環境のモニタリングを行った。測定間隔は任意に設定することが可能で、通常5分間隔で記録をした。

 

2.5 位置測定装置(GPS(Global Positioning System:全地球測位システム))

 

古野電気製 VN201(最高位置分解能は2.2m)を観測測定位置(緯度、経度)を記録するため装備した。位置データは二酸化炭素測定装置及び、水温塩分測定装置の各データが測定記録された時、同時に各装置に記録される。

 

 

 

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