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はじめに

 

本報告書は、「短時間のアイドリングストップの有効性実測」についての活動成果をとりまとめたものである。

 

わが国での運輸交通部門における二酸化炭素排出量は約20%を占め、その内約9割は保有台数が7千万台を越える自動車からの排出であり、今後さらに増大する傾向にある。自動車からの二酸化炭素の排出を抑制するためには、自動車単体でのハード面の対策だけではなく、運転をする人自身が環境にやさしい運転を心がけることが重要であり、当財団ではエコドライブ運転を積極的に推進している。

当財団の発行している「エコドライブのすすめ」の中でもアイドリングストップについては、「人待ちや荷降ろしなど駐停車するときは、エンジンのかけっぱなしをやめましょう。(以下略)」と訴えているが、スイス等諸外国においては、信号待ちでアイドリングストップを制度化している事例もある。しかし、短時間のアイドリングストップは、再始動時の排出ガス・燃料消費量の増大などにより、かえって逆効果となる場合もあると指摘されている。このため、短時間のアイドリングストップの効果について、排出ガスおよび燃料消費量に対象を絞り、実際の使われ方に近い(エンジン再始動後直ちに発進する)条件下で定量的に実測調査したものである。

 

実施に当たっては、学識経験者、関係団体、産業界、関係行政機関の方々からなる「短時間のアイドリングストップの有効性実測委員会」を設け、指導・助言をいただきながら推進した。大聖委員長をはじめ、委員の方々ならびにご協力をいただいた多くの皆様方に深く感謝を申し上げる次第である。

本報告書が適切なアイドリングストップ指針の一助となれば幸いである。

 

平成12年3月

交通エコロジー・モビリティ財団

会長 大庭 浩

 

 

 

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