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都市内での自転車の活用には、自転車の走行空間と駐輪場が都市のインフラとして車に代わる施設として必要となってくる。自転車を活用する視点から、既存の都市空間中で車道を削って自転車レーンに置き換えることは多くの都市で進めている。駐車場一台分を自転車8台として規定している。都市規模で自転車を主要な街の交通とするオランダのニュータウン・ハウテン(HOUTEN)は、当初計画3万人を5万人の街に拡大するほど成功を収めている。

3-2 レンタサイクルの推進…鉄道端末交通と都心回遊交通

1) 鉄道端末交通型公共レンタサイクル…日本の代表例

新市街地で膨大な駐車空間の確保をさけ車に代わる効率的な交通機関として転換出来る条件を整えるためには、徒歩よりも広い範囲を移動できる自転車の活用は基本条件と考えられる。一定の広がりの中で都市内のモビリティ向上のため貸し自転車システムは有効である。

オランダやデンマークに比べて利用は少ないが、狭い歩道に自転車を通す自転車歩行車道という苦し紛れの道路環境にあるにもかかわらず。日本は世界でも自転車利用の利用率は高い部類に入る。しかし、通勤通学に利用される駅までの利用の鉄道端末交通として駅に集中する自転車の駐輪問題は社会問題と取り扱われている。パーク&ライドを推奨しつつ、不十分な公共交通サービスと施設整備の遅れが問題でありながら、自転車利用を抑制する方向に向いがちの状況が懸念される。

自転車の利用はさらに推進されることが望ましい上に、複数の人が一台の自転車を利用できるレンタサイクルシステムは放置自転車問題を緩和する方法として一般化しつつあり、さらに普及が望まれる。駐輪問題も軽減され、都市内のモビリティも向上し中心市街地の活性化への効果も期待される。大いに普及されるべきであろう。

鉄道端末交通型公共レンタサイクルの領域では、日本は先進的位置にある。磁気カード利用の無人サイクルポート式の大規模な貸し自転車の施設が練馬駅、上尾駅等の駅隣接地に多く配置されている。

●通勤通学利用のレンタサイクル…練馬のタウンサイクル(朝日新聞99年7月27日)

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