はじめに
本報告書は、「交通ボランティアネットワークビジョンの構築に関する調査」の研究成果をとりまとめたものである。
近年、障害のある方々の社会参加の要請の高まりや本格的な高齢社会の到来等を背景に、障害のある方々や高齢者等の移動制約者が日常生活のなかで健常者と等しく円滑に移動できる社会を形成することが重要な課題となっている。
このような観点から、駅におけるエレベーター・エスカレーターの整備等ハード面での対策を進めてきたところであるが、移動はバスから鉄道への乗り換えなど複数の交通モードにまたがるケースも多く、移動制約の要因やその程度、移動制約者の介助ニーズも多種多様である。したがって、効果的な移動制約者支援としては、ハード面の対策を推進する一方で、駅でのバリアフリー施設の情報提供などきめ細かなソフト面の対策を推進することが重要である。
そのため、移動制約者のモビリティ確保を図るためインターネットのホームページを利用して、公共交通機関の案内、移動円滑化施設の情報を、具体的にはエレベーター・エスカレーター、障害者用トイレ等の施設の有無、ガイドボランティア、移送サービス等の情報を提供できるようにした。
なお、本調査の実施にあたっては、そのとりまとめの労をおとりいただいた石田委員長をはじめ、終始熱心にご討議いただいた各委員の皆様、調査にご協力いただいた交通事業者、ボランティア団体の方々に深く感謝する次第である。
平成12年3月
交通エコロジー・モビリティ財団
会長 大庭 浩
