地域におけるコミュニティ・トランスポーテーション事業の立上げ、交通従事者に対するセンシティビティ・プログラム、利用者に対するコンシューマー・トレーニング等の策定を行い、独自財源、連邦補助および寄付を得て活動している。会員は主として地方の自主的トランスポート組織(事業者)によって構成され、現在1,400名を擁する。
コミュニティ・トランスポーテーション(以下CT)とは、都市部ではない人口の少ない地域で運行されるバスやバン車両などを利用した公共交通で、零細な事業者やNPO的な組織が地域の足を確保するために運行する交通機関である。しばしば、CT事業者は地域の上位の交通事業体と契約してパラトランジットの運行も行っている。ADA施行規則では、固定路線を運行するすべての公共交通事業者は、補完的パラトランジットを提供する事を義務づけている。そのため、規則の対象となる事業者から委託されたCTやパラトランジット組織(たいていは小規模零細)が実際のサービスの提供を行っている。
こうした零細な事業者は独自にトレーニングプログラムを開発し実践する事が経済的、人材的に困難である。こうした状況に対応すべく、CTAAの任務は、地域に根差して活動する組織のネットワークの強化を目指し、リーダーシップ、技術支援、情報支援を提供することであり、交通サービスを通じて地域の活性化と発展に貢献することである。
・ 組織の運営
16名の常勤スタッフと、非常勤職員、外部コンサルタント50〜60名で構成されている。意思決定は15名の役員会によって行う。役員の1/3は会員から選出される。構成員は、各地域のコミュニティトランスポート事業者、郡・州の交通局、研究機関、協会等である。
・ 財源
予算は年間600万ドルである。会員からの会費収入、イベント収入(EXPOを開催)、寄付、連邦補助などが主たる財源である。CTAAの会員区分および会費を表3-1-2に示した。