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また、2002年にはFIFAワールドカップ開催により外国人観光客が多数来日することが見込まれていることから、アルファベット表記の少ない日本において、早急にこれら案内用図記号の統一化を進めることが望まれている。

そこで、まずこれら国内の公共交通機関とパブリックスペースにおける案内用図記号について関係者の合意を得て国内統一基準を作り、次に国内標準化(JIS化)を図る。また、外国人も対象となるため、国際的な総合調整(IS化)も併せて検討することが本調査研究の目的である。

 

一般案内用図記号導入の目的

 

1. 一般施設で用いる図記号の統一化を図るために<標準>を設定

2. 外国人等、共通の言語を持たない利用者への情報提供

3. 文字では判読できない距離からの視認化

 

2. 計画の概要

 

前記の要請を受け、交通エコロジー・モビリティー財団に「一般案内用図記号検討委員会」を設置して、平成11年度より2年程度を目途に、案内用図記号の統一化に向けて検討を進めることになった。

本調査研究は、まず国内の動向を把握することから始まった。次にそれらを分析、評価し、そこで得られた結論に対して、統一感のある図形として完成させるためにリ・デザイン作業に着手することを11年度の目標とした。続いて一般公衆を対象に認知試験を行い、基準に達したものを国内の統一図記号として提案する予定である。しかし、この分野においては前述のようにISOの活動がある。また、特に交通関係施設を対象とした案内用図記号では、アメリカ運輸省が1974年に34種類、1979年には追加を含め計50種類の具体的成果を発表しており、日本国内においてもかなりの範囲で使用されている。これらの国内外の情勢を踏まえて取り組むことが、検討にあたっての条件となった。

 

注)アメリカ運輸省の活動については<資料4.アメリカ運輸省の手順>参照。

 

 

 

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