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3.3 まとめ

ホームドアの普及の為には、ドア位置やドア数、ドア開口寸法の異なる異種車両対応のものが必要である為、その方式の検討を行った。

異種車両は、1]車両の形式の変更によるもの、2]特急列車等優等列車との混在によるもの、3]一編成中の特殊車両の混在によるもの、4]相互乗入れ車両の混在等さまざまな理由や経緯により運用されており、さらに将来的にどういう計画とするかをも見極める必要がある。

また、停止位置のばらつきをどこまで許容するかによっても、ホームドアの方式を左右する寸法条件が変わってくる。調査結果からは、最もきびしいものでは、ホームドアの戸袋部の寸法がほぼ0mm、すなわち基本的に無い場合もあるという条件となった。

これに対し、アイデア段階であり技術的にも今後の実用化開発を待たねばならないものではあるが、腰丈タイプ、スクリーンタイプ併せて21の方式を提示した。この中で、実現性・制約条件・コストから有望な方式を評価し、特徴や課題を検討した(表3.2-1参照)。

今後は、さらに路線の特殊性(駅の構造・特急車両対応等)、客扱いや安全確認方式等への対応、および装置具体化の為の期間や費用等から、それぞれより詳細に計画し、具体化していくものと考える。

特に、比較的閑散で乗降処理時間に余裕があるような路線と非常に混雑する路線とでは、自ずとその適用性が異なるので、使い分けることが望ましいと考える。

一方、安価にホームドアを取付け安全・快適なホームを実現するには、ドア位置や開口寸法が統一されているのが最も理想的である。すなわち、現在は異種車両が混在使用されている路線であっても、将来的にはホームドアに対して車両自体が対応可能なように統一したドア位置を持つよう、今からホームドア設置のための計画をしていくことが望ましいと考える。

 

 

 

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