3. 異種車両対応ホームドアの検討
既設駅は、ドア位置、ドア数、ドア開口寸法の異なる車両が走行している路線が多い。
既設駅への設置を目的としたホームドアにおいては、異種車両が走行してもそれに対応して乗降できる開口部をもつホームドア方式が必要となってくる。
このため、腰丈式ホームドアに加え、構造物としては一般的に高価につくスクリーン式も検討の対象とし、方式の構想を検討・整理した。その結果を以下に示す。
なお構想は、できるだけ自由な発想で検討したものであり、構造の原理を提案するものである。
3.1 車両条件の調査と前提条件
車両ドアの位置とドア数との寸法条件は、路線によってまちまちである。さらに、定位置停車から前後どれだけ余裕をとった開口をもたせるかにより、いろいろな車両条件になる。参考までに、別途調査された結果を図3.1-1、3.1-2に示す(「鉄道における視覚障害者に配慮した誘導方策に関する調査報告書-ホームにおける列車扉位置調査集計」平成10年3月財団法人鉄道総合技術研究所まとめ)。すなわち数例をとり出し、ホームドア戸袋部の設置可能寸法として表すと、下表のような条件となる。
実際にはこの定位置ジャスト停車の運行は非現実的であり、停止位置精度±300mm、±350mm、±500mmなどの停車位置ずれを考慮する必要があるため、様々な限定条件となる。
また、停止位置精度の考慮あるいは6扉車や特急のような特殊な場合など、最も厳しい場合は、柵設置可能寸法がほぼ0mm、すなわち、基本的に無い場合もあるとして考える必要がある。
これらを前提として、戸袋部(または固定部)の寸法が原理的にできるだけ小さくできる、または無い方式を検討・提案することとした。