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3. 分析にあたっての視点

 

「海上交通体系のあり方」について検討するに際しての視点としては、次のような点が考えられる。

1]離島と本土間の交通体系については、その効率性等から本土→離島の流動に重きをおいた体系が形成される傾向がみられる。本調査においては、離島住民の足を確保するということから、島側にたった交通体系の構築という視点が求められる。

2]奄美群島も高齢化が進んでいる。離島住民の生活の足である海上交通の整備にあたっては、高齢者等に配慮した整備のあり方を検討する。

3]国土の自然環境を美しく健全な状態で次の世代へ引き継いでいくことは我々の責務である。このため、自然や景観に配慮した整備のあり方が求められる。

4]奄美群島地域の振興には、観光産業の活性化は欠かせない。観光客を誘致するには、「東京・大阪・福岡等の広域(場合によっては海外)からの吸引を図るための交通体系のあり方」「奄美群島の交通拠点(例えば名瀬港、奄美空港)から観光地までの地域間連携、特に島と島間・海峡部の連絡体系等のあり方」を検討する必要があり、陸・海・空一体的交通体系の確立を図る方向での検討が必要である。

5]奄美群島は、沖縄に隣接する地理的特性から、沖縄経済と大きな関わり合いを持っている。沖縄は、近年急速に進展しているアジア・太平洋地域との交流が深まっており、その地理的・歴史的特性から沖縄に重要な国際交流拠点が形成されつつある。

今後、奄美群島における産業の振興・経済の発展には、対沖縄間との交流・連携を考慮した計画を検討していくことが必要である。

 

 

 

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