日本財団 図書館


3. 物流関連施策の動向

 

(1)物流関連施策の方向性

わが国の物流関連施策としては、関係省庁が連携して物流施策の総合的な推進を図るため、「総合物流施策大綱」が平成9年(1997年)4月に閣議決定されている。これは、「経済構造の変革と創造のためのプログラム」(平成8年12月閣議決定)に基づき、物流分野についてこれを具体化するため、平成13年(2001年)を目途にコストを含めて国際的に遜色ない物流サービスを実現する施策の大綱を取りまとめられたものである。

以下にその概要を示す。

この中で、本調査における検討の中心となる海上輸送網については、需給調整の廃止などの規制緩和の具体化と物流効率化の観点からの見直しを行うこととされている。また、同様に本調査の中心となる物流拠点については、その整備に関する指針を関係省庁が連携して策定することとされ、「物流拠点の整備を進める上での指針」が平成10年(1998年)6月に策定されている。

一方、地域間物流については、マルチモーダル施策を通じて陸海空の輸送機関間の競争条件を整備し、複合一貫輸送の実現と環境負荷の削減を目指すこととされている。また、国際物流については、近年の輸入増加に対応して、国際物流にかかる時間およびコストを縮減し、内外価格差の是正および産業立地競争力の改善に寄与することとされている。

 

1. 基本的な目標

(1)3つの基本的目標(2001年まで)を決定。

1]アジア太平洋地域で最も利便性が高く魅力的なサービス

2]産業立地競争力の阻害要因とならない物流コスト

3]環境負荷の軽減

(2)これを実現するための施策の3原則を決定。

1]相互連携による総合的な取組み

2]利用者の多様性への対応(マルチモーダル施策)※

3]競争促進による市場の活性化

※マルチモーダル施策:利用者のニーズに応じた効率的な輸送体系を確立し、良好な交通環境を創造するため、道路、航空、海運、鉄道等複数の交通機関の連携による総合的な交通施策。

(3)物流の各分野毎に、トラックの積載率、貨物の港湾滞留時間、梱包の標準化率等、鍵となる数値(政策の努力目標としての一定の数字)を含む、目指すべき姿を提示。

 

2. 横断的施策

(1)社会資本整備

次の3つの視点を踏まえ、今後、重点的に整備すべき物流関連社会資本を特定。更に、物流拠点整備に関する指針を関係省庁が連携して策定。

1]利用者のニーズに対応した多様な選択肢(社会資本の相互連携)

2]ボトルネックの解消

3]国際ハブ港湾・ハブ空港の整備

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION