そこで、さらに踏み込んだ連携の形態として、周辺港湾間で役割分担を明確化し、貨物を相互に融通し合うことが考えられる。具体的には、相手地域別の分担により、ある港湾には中国向け貨物を、別の港湾には東南アジア向け貨物をそれぞれ集約化するといった形態が想定されるが、このような連携はこれまで事例がなく、実現に向けては十分な調整が必要と考えられる。
4. 長崎港の将来像実現に向けた方策
(1) 短期的な方策
長崎港の将来像の実現に向けて、短期的には次に述べる方策を実施していくことが求められる。
1]長崎港利用促進施策
・長崎港の利用促進に向けた協議会等の設置
・荷主へのポートセールス体制の一本化
・ホームページ開設等による情報提供
・大都市圏や海外におけるポートセールスの展開
・周辺港湾と連携したポートセールスの展開
2]長崎港のコスト削減のための施策
・輸出・輸入コンテナ貨物の組合せによるコスト削減
・海貨業務の共同化
・荷主の物流共同化
・アクセス道路の整備促進
・港湾施設使用料のインセンティブ制度導入の検討
3]長崎港の利便性向上のための施策
・通関の迅速化・円滑化
・混載サービスの充実
・燻蒸施設の稼働再開
・港湾EDI、Sea-NACCSへの対応
・中国航路拡充に向けた船社への働きかけ
4]貿易促進施策
・上海事務所等を活用した情報収集・発信
・見本市・商談会の開催、ビジネス・マッチングの実施
・常設展示場の設置、仮設店舗の提供
・貿易実務者等の人材育成
・地場貿易業者の振興
(2) 中長期的な方策
長崎港の将来像の実現に向けて、中長期的に実施が求められる方策は次のとおりである。