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第6章

長崎港における効率的な輸送体系上の実現に向けた方策

 

ここでは、第5章における先進事例も参考にしながら、第4章で検討した長崎港における輸送体系の実現に向けた方策を検討する。その際、長崎港の利用促進全般にかかる施策、長崎港のコスト削減に関する方策、長崎港のサービス向上に関する方策、長崎港周辺の輸出入コンテナ貨物を増加させるための貿易促進施策に分けて検討することとする。また、各方策は短期および中長期に分けて検討し、このうち重点的に取り組むことが望ましい方策を抽出して具体的な取り組み内容を検討する。

 

1. 短期的な方策

 

(1) 長崎港利用促進施策

1]長崎港の利用促進に向けた協議会等の設置

港湾および貿易の活性化のためには、港湾管理者、税関等の国の関係機関、港湾運送事業者等の港湾関係事業者、県・市・民間等の貿易振興組織・団体等、多数かつ多様な関係主体が連携して取り組んでいくことが必要である。

現在、長崎港では、その活性化に取り組む団体として、長崎港活性化センターおよび長崎県貿易協会が存在している。このうち、前者は長崎市貿易協会、長崎港貿易振興協議会等、長崎県貿易協会以外の関係組織を統合・一元化して設立されたものである。既に、長崎港活性化センター、長崎県、長崎市、長崎商工会議所等が連携して長崎港の活性化に向けた取り組みを開始している。

さらに、国機関(税関等)等も含め、各関係主体が参加する協議会等を設置し、荷主や船社の立場からみて利用しやすい長崎港を実現していくために取り組むべき施策全体を体系化するとともに、各施策の実施主体を明示し、進捗管理を徹底することにより、施策を着実に実行していくことととする。

【想定実施主体:長崎県、長崎港活性化センター、税関等国機関、各種港湾関連事業者 等】

 

2]荷主へのポートセールス体制の一本化

長崎港の利用促進に向けて、従来から長崎県、長崎港活性化センター等の関係主体が荷主企業に対するポートセールス活動を展開しており、関連してアンケート調査、ヒアリング調査等も多数実施されている。幾度にわたる訪問を受けている荷主企業においてはその対応の一本化を望む声が多いが、一方ではコンテナ貨物の取扱量が比較的多いにもかかわらず、従来そのような訪問を受けた経験のない企業も存在している。

こうしたことから、1]に述べた体制の整備とともに、荷主企業に対するポートセールス体制の一本化と情報の集約化を図り、効率的なポートセールス活動を展開することとする。

【想定実施主体:長崎県、長崎港活性化センター、海貨業者 等】

 

3]ホームページ開設等による情報提供

アンケート調査(1999年10月実施)によると、長崎県内でも県央・県北地区では、長崎港の航路開設状況、特に開設後間もない韓国航路の開設を知らない荷主が27社中6社に達している。佐賀県では韓国・中国両航路とも知らない荷主が半数を占める。

 

 

 

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