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4) 職員の語学力の向上策

(外国語を習得する手段は? その1)

 

このような職場・職域における職員の語学力充実の必要性に対処するための中長期的な方法として、都道府県の9割以上、指定都市・県庁所在市・人口20万以上の市のすべて・9割弱の特別区及び3分の1程度の町村において語学力向上のための施策がとられている。

集合研修の場合、都道府県のうち8割近くの団体が、指定都市のうち6割近くの団体が、県庁所在市のうち3割近くの団体が、その他の市町村のうち2割前後の団体が自前の研修施設において自前のカリキュラムを作成して語学研修を行っており、他方、ほとんどの特別区では他の職員研修施設において単独もしくは共同で、または委託によりこの種の研修を行っている。

また、都道府県のうち3割程度の団体、指定都市のうち9割以上の団体、県庁所在市のうち7割程度の団体、人口20万以上の市のうち6割の団体、町村のうち2割の団体においては、語学研修の目的で自治大学校・全国市町村国際文化研修所に職員を派遣している。

そのほか、民間の語学学校等への委託研修を行っている団体が都道府県のうち2割あまりの団体で行われており、同様の措置がそのほかにも幾つかの都市においてとられている。

以上のほか、職員の自発的な民間語学学校での学習に対する学費の助成その他通信教育受講等に対する援助する形で職員の語学力向上を図っている団体は非常に多い。すべての指定都市、ほとんどの都道府県、9割以上の県庁所在市、8割超の人口20万以上の市、7割の特別区において、この種の援助措置が講じられている。

これらの集合研修あるいは自己啓発・自己研鑽により学習されている外国語は「英米語」が圧倒的に多く、次いで「中国語」「韓国語(朝鮮語)」の順となっている。これら3ケ国語で全体の8割近くを占めている。

このほか「ブラジル語(ポルトガル語)」「ロシア語」「フランス語」「ドイツ語」「イタリア語」が学習の対象となっている。

現在、3つの都道府県、3つの特別区及び30程度の町村においては、職員の語学力向上のための措置が講じられていない。このうち都道府県及び特別区にあってはすべて「職員の外国語習得の面倒を見るほど財政的余裕がない」のがその理由である。

町村にあっては、それに加えて「外国語の勉強に人を割くほど人的余裕がない」「外国語習得の希望者ないし適任者が見あたらない」「短期間の語学研修では効果が余り期待できない」「語学研修カリキュラム作成のノウハウがない」「語学教育に適した教員の確保・設備機器の整備が困難である」のほか「日常の業務遂行にあたって、これまでのところ職員の外国語の能力を特に必要とする案件はなかった」「特に育成しなくても既に外国語に秀でた職員がいる」「語学の必要があればJETプログラム(国際交流事業)により派遣されているCIR(国際交流員)、ALT(外国語指導助手)、SEA(スポーツ国際交流員)などに助けてもらう」「その都職業的通訳・ボランティア等、外部の者に委託して処理する」など特別に語学教育を行う必要性が見あたらないとする理由は様々である。

 

 

 

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