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第1 国際化時代に求められる職員の資質・能力とその育成

 

1) 国際化の進展に伴う職場・職域での変化

(職員はどのような仕事に直面するのか?)

 

外国人居住者の増加、国際協力事業の展開など国際化の時代を迎え、地方公共団体の職場・職域でもいろいろな変化が生じている。特に顕著なのは「職員がとっさにある程度外国語を使えると便利なケース」が増えつつあることであり、この傾向は都道府県・市町村の別なく、かつ、国際交流・国際協力、広報・広聴、保健・福祉、消防・防災、病院、公営交通など職場・職域の如何にかかわらず、程度の差こそあれ広く一般的にみられる変化である。

同様に、「行政側からの情報が外国人居住者には伝わりにくい、あるいは理解されにくいケース」も各団体、各職場・職域で多く発生している。

 

(国際交流・国際協力関連の職場・職域)

 

この職場・職域では、「外国人との接し方、国際的に通用するプロトコールの知識が必要になってきたケース」が圧倒的に多く、特にこの点については指定市ではすべての団体が、その他の団体でも過半数のものが指摘している。

また、「行政側からの情報が外国人居住者には伝わりにくい、あるいは理解されにくいケース」も町村・県庁所在市・特別区を中心に多く発生している。

その他「生活習慣の違いからゴミの出し方、夜遅くまで騒ぐ」など文化、宗教、生活習慣の違いから生じるケース(都道府県・人口20万人以上の市の例)が多くなっているほか、以下のようなケースも見られた。

・日本語から直訳した英文情報が多く、外国人にストレートに伝わりにくい。(特別区の例)

・日本語を話せない中国からの居住者が増え、中国語による日本語教室の開催が急務となった。(表彰団体の例)

・外国人居住者に対する相談窓口の開設。(人口20万以上の市の例)

・CIR(国際交流員)と担当職員間で価値観・習慣等の相違に基づく軋礫が生じる。(都道府県の例)

・アパート・公営住宅の契約、使用に関しトラブルが多発する。(表彰団体・県庁所在市の例)

・保育園・小中学校に日本語を理解できない児童が増加。(表彰団体の例)

・国賓・公賓・外国人訪問客の来訪が増え、表敬訪問・パーテイが増加した。(指定都市の例)

 

 

 

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