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■事業の内容

本事業は、日本国内の地域文化関係民間団体並びに自治体、及び世界主要国の潜在的対日交流希望者層に対する交流発掘調査を通じ、文化交流関係のテーマ別交流ニーズを発掘・抽出し、特定テーマの国内地域文化関係民間団体と当該団体に対する交流相手先となるべき外国側交流希望団体の組合わせを行い、国内の地域社会における地域固有の文化と、外国の地域の文化を媒介とした、我が国の地域社会と外国地域社会の対日交流希望者層との国際交流事業を実現させることにより、異文化とのふれあいを通じた双方の地域社会の国際化促進を図るとともに、地域社会における固有の文化を維持・継承し、内外に紹介しその深化を図り、また、これらを通じて地域の活性化を図ること等を目的とし、本事業を実施した。
(1) 交流事業等発掘調査の実施
 [1] 調査
  a.調査項目  団体の概要、交流実績、交流予定・希望事項・実施時期等
  b.調査方法  アンケート調査
   (a) 国内調査
   イ.地域文化関係民間団体(日本青年会議所の協力により、傘下の各地青年会議所を通じて調査)
    (イ) 調査票発送数  753(日本青年会議所傘下の各地青年会議所宛に発送)
    (ロ) 調査票回収数  38(回収率5%)
   ロ.自治体(全国の都道府県・市町村(特別区含む))
    (イ) 調査票発送数 3,306
    (ロ) 調査票回収数 549(回収率16%)
   (b) 海外調査
     国際観光振興会の海外事務所を通じ、11ヶ国14都市について調査
   イ.調査票発送数 2,030(7カ国語(英、仏、独、葡、中、タイ、韓))
   ロ.調査票回収数 473(回収率23%)
  c.実 施 者  国際観光振興会         観光交流部長  原  祥隆氏
          交通エコロジー・モビリティ財団 管理部長    石本 洋三氏
 [2] 検討
   国内調査(地域文化関係民間団体)の調査結果では、国際交流の支援を希望する団体は15団体であった。地域文化交流事業運営委員会(委員長:西村幸夫東京大学教授)は、この15団体の事業内容(交流内容、実施時期等)について、審議・検討を行い、「国内開催(今年)の事業であること」、「外国との人の交流があること」、「ガイドラインに沿ったものであること」等から、「別府ONSEN文化国際交流事業(別府市旅館組合連合会別府ONSEN文化国際交流プロジェクトチーム)」を今年度のモデル事業に選定した。
 [3] 報告書
  a.規 格  A4判
  b.部 数  150部
  c.配布先及び配布数
   (a) 配布先  運営委員、運輸省、都道府県、調査協力団体等
   (b) 配布数  100部
(2) モデル事業の実施
 モデル事業(別府ONSEN文化国際交流事業)は、[1]国際交流マッチング事業(平成10年11月6日(金)〜11日(水))と、[2]国際交流アクションプログラム実施事業(平成10年12月20日(日)〜24日(木))の2事業として実施した。
 いずれも、下記の行事のほかに、地元の本事業に係るプロジェクトチーム及び交流関係団体とのミーティング、交流会、ボランティアの協力によるホームステイ等の交流行事を実施した。
 [1] 国際交流マッチング事業
   「別府八湯ONSEN文化国際交流ミーティング」
  a.テーマ   ヨーロッパ・環太平洋の温泉文化と地域づくり
  b.内  容  ・パネルディスカッション形式(会場との質疑も含む)
          ・コーディネーター:山村順次氏(千葉大学教授、日本温泉協会学術部委員)
          第1セッション テーマ「ヨーロッパの温泉文化と地域づくり」
           パネラー:イギリス、イスラエル、イタリア、ドイツからの招請者
          第2セッション テーマ「環太平洋の温泉文化と地域づくり」
           パネラー:アメリカ、韓国、台湾、ニュージーランドからの招請者
  c.日  時  平成10年11月10日(火) 14:00〜18:30
  d.場  所  別府市 ビーコンプラザ 国際会議場
  e.招請者等  イギリス :ポール・サイモンズ氏(バース及び北東サマセット州市役所観光経済部長)
          ドイツ  :ノルベルト・ヤックムート氏(バーデンバーデンマーケティング
社営業部長)
          イタリア :マッシモ・サビオン氏(アバノ・モンテグロット温泉協会会長)
          イスラエル:ラム・リストマン氏(イスラエル政府観光局日本・極東地区総支局長)
          アメリカ :シェル・ミッチェル氏(コロラド州グレンウッドスプリングス、ホットスプリングスロッジアンドプール社代表)
       ニュージーランド:ロス・スタンウェイ氏(ロトルア市役所経済開発部長)
          韓  国 :チョウ・キョンド氏(韓国温泉協会会長)
          台  湾 :ウインストン・シェン氏(台東県知本温泉 ホテルロイヤル知本副総支配人)
          日  本 :山村 順次氏(千葉大学教授、日本温泉協会学術部委員)
  f.参加者及び参加数
   (a) 参加者  協力団体関係者、一般参加者、行政機関など
   (b) 参加数  延べ600名
  g.配布物等
   (a) 勧誘状  (A4判 1ページ 1色)  5,000部
     協力団体、関係自治体、一般市民等に配布し、事前周知を図った。
   (b) プログラム(A4判 6ページ 1色)    700部
 [2] 国際交流アクションプログラム実施事業
  a.テーマ  クリスマスHANABIファンタジア
  b.内 容  冬季の特別の一大イベントとして定着(毎年12月23〜24日開催)している「クリスマスHANABIファンタジア」を招請者に紹介するとともに、交流関係団体・留学生等との交流会を実施した。
         このほか、国際交流アクションプログラムとして、自炊による湯治の体験宿泊、交流テーマ(温泉文化と地域づくり)に関する意見交換等のミーティング、ホームステイ等を実施した。
  c.日 時  平成10年12月20日(日)〜12月24日(木)
  d.場 所  別府市
  e.招請者  ドイツ:コルネリア・ホルヌング氏(バーデンバーデンマーケティング社グループインセンティブ担当)
         韓 国:ヒャンジャ・キム氏(韓国観光研究所 研究員)
             ソクチョン・ハム氏(カンヌン大学観光経営学科長)
             ヒュン・パク氏(韓国温泉開発研究所長)
         台 湾:チェンウー・シャオ氏(ホテルロイヤル知本フロント副支配人)
             ヤンイェン・ファン氏(ホテルロイヤル知本工程部総工程師)
 [3] 報告書
  a.規 格  A4判
  b.部 数  200部
  c.配布先及び配布数
   (a) 配布先  運営委員、実行委員、運輸省、都道府県、関係自治体・団体等
   (b) 配布数  180部
(3) 運営委員会報告書作成
 [1] 規 格  A4判
 [2] 部 数  50部
 [3] 配布先及び配布数
  a.配布先  運営委員、実行委員、運輸省、関係自治体・団体等
  b.配布数  40部
■事業の成果

本年度は、「別府ONSEN文化国際交流事業(別府市旅館組合連合会別府ONSEN文化国際交流プロジェクトチーム)」をモデル事業として実施した。
(1) 海外8カ国(イギリス、ドイツ、イタリア、イスラエル、アメリカ、ニュージーランド、韓国、台湾)の特色ある温泉利用を行っている温泉地の団体を招請し、各国の温泉文化とまちづくり等についてパネルディスカッション形式により、地元別府市の関係団体、一般市民等に紹介し、泉都別府の新たな温泉地づくりを啓発するとともに、別府八湯の本来持つ魅力を再発掘することを第一義として、「別府八湯ONSEN文化国際交流ミーティング」を実施した。同ミーティングには、関係・協力団体、一般市民、行政機関等約600名の参加者があり、事業の意義を広く周知できた。
(2) 地元プロジェクトチームのあるメンバーは、同チームを代表して「一連の活動を通じて、今まで心の中にあった『別府はだめかも』という悲観的な気持ちが消えた。招請者との交流で、何をすべきかが見えてきた。」と語り、本事業を遂行できた意義を高く評価している。
(3) 本事業成功のために、地元のプロジェクトチームのみならず、市内の各種団体が、業界、団体の垣根を越えて、一丸となって動いたことが、市民、行政当局から、貴重な教訓となったと、高く評価された。
(4) 本モデル事業は地元の報道機関等により報道された。





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