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■事業の内容

運輸行政の一環として海難審判庁が行っている海難審判は、裁決によって個々の海難審判事件の海難原因を明示して、同種海難の再発防止に寄与しているところであるが、本事業は、この貴重な裁決をデーター・ベースとして、海難の態様や原因を分析して最新の海難の動向を把握したうえ、その結果を海事関係官公庁、諸団体、学校及び船舶運航者の視聴覚に訴えることにより、海難防止活動を積極的に展開することを目的として、実施した。
(1) 内容
 最新の海難の動向から類似海難の再発防止のためのビデオを作成するとともに、これまでに作成したビデオ4作品を総集編としてまとめ、4地区において講習会を開催した。
 [1] 海難防止用ビデオの作成
  a.題  名  エンジントラブル
  b.内  容  入港中、主機の整備不良で防波堤に衝突した海難の実例をドラマ化して、海難事件の原因、海難の防止法、海難審判のシーン及び関係者に対する海難審判相談の模様など。
  c.仕  様  VHSビデオ 30分
  d.数  量  プリント 50本
 [2] 海難防止教導用ビデオ(総集編)の作成
  a.題  名  どんな時、なぜ海難は起こるのか
  b.内  容  「居眠り」「炎上」「気持ちにゆとりを!」「エンジントラブル」のビデオ4作品を集大成したもの。
  c.仕  様  VHSビデオ 40分
  d.数  量  プリント 50本
 [3] 海難防止講習会の開催
  a.テーマ   最近における海難の実態について
  b.内  容  講 演「海難の発生状況、海難の原因及び海難防止について」
  ビデオ放映
  (a) 「エンジントラブル」
  (b) 「どんな時、なぜ海難は起こるのか」
  c.開催場所  徳山市、松山市、東京都、広島市
  d.講  師  教導員
  e.参加者   船舶乗組員及び運行管理者
  f.人  数  各講習会 約70名
(2) 委員会及び部会の開催
委員会 第1回 ビデオ作成のスケルトン及びビデオ総集編の編集方法
部 会 第1回 同上の内容の細部検討
部 会 第2回 ビデオ作成のシナリオの検討
部 会 第3回 同上の細部検討及びビデオ総集編のシナリオの検討
部 会 第4回 同上の内容の細部検討及び部会案決定
委員会 第2回 ビデオのシナリオの検討
部 会 第5回 ビデオの試写、検討、修正
委員会 第3回 同上
委員会 第4回 完成ビデオの試写及び講習会開催場所の選定
■事業の成果

当会においては、海難審判庁裁決録の海難防止への利用をより一層高めるため、委員会を設けて、各種海難の実態について、その都度テーマを選定して、審議、検討のうえ、理解しやすい教本とビデオを作成し、これらを必要箇所に配布するとともに、各所において海難防止の講習会を開催した。

 本年度は、最近の海難の動向から、類似海難再発防止のためのビデオを作成するとともに、これまでに作成したビデオ4作品を集大成し、松山市、徳山市など4地区で、船舶乗組員等に対し、講習会を開催した。

 その結果、講習会には、多数の受講者が集まり、熱心に受講する等、その成果は大であった。





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