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■事業の内容

需給不均衡の拡大、貿易黒字の拡大による円高圧力懸念など依然として先行き不透明な状況が続いている状況下、日本造船業の技術の優秀性を広く世界にPRすると共に安定的な輸出船受注確保を支援するために、業界を統一して、日本造船業にとって重要かつ有力な顧客先であるギリシャにおいて開催される国際海事展に参加する事により、当該船主との交流の強化に寄与し、日本造船業の存在を強力にアピールすることを目的として、本事業を実施する。
(1) 「ポシドニア98国際海事展への参加」
 [1] 開催場所  ギリシャ・ピレウス
 [2] 開催期間  平成10年6月1日〜5日
 [3] 展示面積  200平方メートル
 [4] 展示内容
   業界統一展示方式により、模型、写真パネル、VTR、CD−ROM等を使用して、下記の基本テーマにて日本造船業の技術の優秀性をPRする。また、1999年に日希修好通商航海条約締結100周年を迎えることから、在ギリシャ日本大使より、この記念行事の一環として小間内に日本文化紹介コーナーを設けて欲しい旨要請があり、これを受けて、同コーナーを設け、日希両国の一層の文化交流と友好に貢献する。
 なお、今回も前回同様、財団法人日本海事協会と共同でナショナルブースを形成する。
  a.最新鋭船舶
  b.環境対策、安全管理、合理化等関連技術
  c.その他
  d.受付、応接室、マルチビジョン・システム・コーナー、カタログ・コーナの設置
  e.日本文化紹介コーナー
 [5] 展示装飾資材の輸送等
   見積合わせの結果、株式会社日成を選定し、展示貨物の梱包、輸出通関業務、便船への船積みを行った。
 [6] 展示小間建設、会場撤去、貨物の再梱包並びに還送
   見積合わせの結果、ドイツ・ANF社を現地装飾業者として選定し、同社と契約を締結した。
   同社は契約締結後、直ちに製作を開始し、ドイツ並びに日本からの貨物を搬入後は、現地において基礎工事、会場据え付け工事を行い5月30日工事を完了した。
 [7] 展示会
  a.参加国
    72カ国(地域) 1,485社
  b.入場者数
    約24,000人
 [8] 運営責任者、展示専門家及び実務担当者の派遣
   現地における事前準備(会場設営等)、展示会の運営、事後処理に当たるため、運営責任者、展示専門家及び実務担当者を次の通り派遣した。
   運営責任者   渡辺 雄一氏  5月29日〜6月 7日
   展示専門家   金子  守氏  5月26日〜6月 8日
   実務担当者A  伊東 洋司氏  5月14日〜6月12日
   実務担当者B  植木 英嗣氏  5月25日〜6月11日
 [9] 会場受付業務アテンダントの臨時雇用
   会場受付業務並びに通訳として、英語を話せる女性4名を臨時雇用した。
 [10] 現地輸入通関等
   日本からの輸送貨物は、展示会指定業者Schenker Hellas SA社によって現地通関され、会場搬入された。
 [11] 展示物の還送・貨物の再輸入通関業務
   展示会指定業者Schenker Hellas SA社に現地での還送貨物再輸出を委託し、無事に還送貨物便船“NOL Crystal”が横浜港へ到着し、再輸入通関手続きを完了した。
   便船到着後、大井海貨倉庫において、還送貨物の検収並びに船舶模型等の出品者への返還手続きを行った。
(2) 「ノルシッピング99国際海事展への参加準備」
 [1] 開催場所  ノルウェー・オスロ
 [2] 開催期間  平成11年6月8日〜11日
 [3] 展示面積  190平方メートル
 [4] 展示内容
   業界統一展示方式により、模型、写真パネル、マルチメディア等を使用して、日本造船業の技術の優秀性をPRする。
 [5] 展示小間の予約
   展示会事務局に展示小間の予約申込を行った。
   総小間面積:194平方メートル(当初計画時は、190平方メートルであったが、展示会事務局都合により、194平方メートルとなった。)
 [6] 展示方針及び内容の決定
 [7] 展示装飾資材の国内製作
   第272回広報委員会展示部会において基本参加方針を検討し、統一展示方式により、わが国造船業の存在並びに技術力の優秀性を強力にアピールする展示を展開することに決定した。
   第273回広報委員会展示部会において具体的展示内容の検討を行い、展示物の特徴を十二分に引き出す効果的デザインにすること、マルチメディアコーナーを設けることなどを決定し、デザイン仕様とすることとなった。
  a.ノルシッピング99デザインコンペ
    デザインコンペ参加希望業者3社(株式会社ダイヤ・ピーアール、株式会社日本プロジェクト、株式会社ノイ)に対し、展示デザイン仕様書に基づき、コンペ説明会を開催した後、第274回広報委員会展示部会においてデザインコンペを行った。この結果、デザイン的に最も優れ、なおかつ予算内に収まっていた株式会社日本プロジェクトを、一部デザイン修正を条件に選定した。
  b.装飾デザイン・国内資材製作の請負契約の締結
    デザインコンペの結果により、一部デザインの修正を指示し、修正完了後、株式会社日本プロジェクトと装飾デザイン・国内資材製作の請負契約を締結した。
    同社は締結後、直ちに製作を開始し、3月12日製作を完了し、指定倉庫に搬入を行った。
    同倉庫において検収を行い、全ての作業が契約通り完了したことが確認できたので、3月15日に完了時払いを送金し、本事業を完了した。
■事業の成果

本事業は、ポシドニア98国際海事展に参加し、ギリシャ船主をはじめとする欧米船主との交流を深めるとともに、ノルシッピング99国際海事展の参加準備を実施したものである。

 これら国際海事展において船主・荷主等海運関係者並びに報道関係者に対してわが国造船業の技術力の優秀性を積極的にPRすると同時に、当該船主との交流の強化並びに日本造船業の存在を強力にアピールすることに大きく寄与している。





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