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■事業の内容

(1) 防災まちづくりプラン策定支援システムの研究開発
−防災まちづくりエレメントの効果等評価システムの研究開発−
 [1] 研究内容
   防災まちづくりの重要性が叫ばれている中、一連の防災まちづくりプランを考える際に重要となる作業は、当該地域における防災まちづくりの課題抽出、課題解決のための防災対策の策定、その対策の効果評価である。しかし、これらの作業は多くの費用や時間、専門的知識が必要とされ、独自で行うことは大変困難であることから、防災まちづくりに関連する防災対策の効果、影響等を評価するシステムの研究開発を行った。
 [2] 報告書の作成及び配布
  a.規格・部数  A4判 200部
  b.配 布 先  都道府県、市町村(人口20万人以上)
(2) 雨量に基づく土砂災害危険予測システムの研究開発
 [1] 研究内容
  我が国では、毎年のように豪雨に伴う土砂災害が発生し、貴重な人命・財産が失われている。土砂災害は、発生が突発的などの理由から、市町村、消防本部等の職員が警戒巡視や避難の勧告・指示などのタイミングを計る上で決め手に欠けていたのが実状であり、防災関係者にとって大きな問題となっていた。
  一方、近年の土砂災害研究の成果は、当該地域の雨量に基づき土砂災害危険の接近状況を把握するのが最も適切であることを明らかにしている。そこで、その考え方を発展させるとともに、市町村、消防本部等の現場のニーズに即した実用性の高い土砂災害危険予測システムの開発を行った。
 [2] 報告書の作成及び配布
  a.規格・部数  A4判 200部
b.配 布 先  都道府県、市町村(人口20万人以上)

■事業の成果

(1) 防災まちづくりプラン策定支援システムの研究開発
−防災まちづくりエレメントの効果等評価システムの研究開発−
 防災まちづくりの中でも最も重視される、延焼防止性能、消防活動性能、避難性能といったものについて、それぞれ多角的に評価することができるとともに、結果はパソコン上で地図表示されるため、視覚的に地域の評価を検証することが可能となった。また、それらの評価結果をもとに抽出される課題・問題点に対して、実際にパソコン上の画面で防災関連施設の追加・削除等を行うことにより、新たな防災対策を設定することが可能となり、一連の防災まちづくりの策定を支援する機能を盛り込むことができた。
 本システムを防災行政の現場で活用することにより、防災まちづくりプランの策定は勿論のこと、地域防災計画や防災マップの作成など様々な防災施策を円滑に推進することが可能にある。
(2) 雨量に基づく土砂災害危険予測システムの研究開発
本システムを用いることにより、これまで容易でなかった管内降雨の土砂災害に対する影響評価が可能となり、豪雨時にとるべき体制や活動を市町村等の防災担当者は自信をもって判断・選択できるようになった。
また、市町村等に設置された雨量計から直接データを収集することから、降雨状況や土砂災害発生危険度を正確かつリアルタイムに把握できるため、迅速な意思決定が可能となった。
以上の結果、地域住民に対する避難関連情報の効果的な提供が可能となり、土砂災害からの人命安全確保対策を大きく前進させることとなった。
なお、本システムは、雨量計、パソコン+本システム用ソフトウェア、通信回線、雨量計から構成されるシンプルなシステムなため、導入・運用コストは安価であり、市町村等での導入は容易である。





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