
■事業の内容
(1) リアルタイム空地データリンクの研究 近年の航空機運航の過密化により、近い将来においては、地上と航空機との間の航空管制及び運航管理のための通信情報の伝送ならびに地上で当該機を監視するための位置情報の伝送にはいずれもハイテク技術を用いたデータリンクに依ることとなる。 本事業は平成9年度から3ヵ年計画により、地上と航空機との間の管制通信及び航空機の位置情報等を正確かつ遅滞なく伝送することが可能なTDMA(時分割多重アクセス)技術について、研究を進めてきており、本年度は通信制御部及び変復調部の設計、試作を行った。 なお、本データリンクの導入により空地間で必要なデータの量と質を飛躍的に向上させることが可能となる。 報告書:50部 (2) 小型機運航に対する地上支援システムのあり方調査・研究 ジェネラルアビエーション(GA)、コミューター航空等の小型機運航に対する地上からの支援は、VHF音声通信による気象、航空保安施設等の突発的な機能障害などについての情報提供及び位置報告に基づく運航監視などが行われているが、低高度及び山岳部ではブラインドとなり情報提供、監視とも万全とはいえない状況にある。 衛星通信・衛星航法を利用する次世代の航空保安システムでは、ブラインドの問題が解消し、小型機の安全性と運航効率の向上が可能となるので、今後ますます輻湊が予想される小型機運航の安全性をはかるため、これに対応した機上装置及び地上からの新体制の整備を進める必要がある。 本研究においては、平成9年度からの3ヵ年計画により、さきに補助事業で開発した小型機用搭載装置に対応した地上支援システムを構築し、実際の衛星通信・衛星航法についての飛行試験を行い、地上からの支援体制に着目した航空保安システムのあり方について調査・研究するものであり、本年度は地上支援システムの試作ならびに海外諸国における整備状況の調査を実施した。 報告書:50部
(3) GPS補強システム用機上受信機の開発
GPSを航空機の航法に利用するためには、その測位精度及び信頼性を補強する必要があるので、運輸省は洋上空域における航行の安全性向上のため、近く運輸多目的衛星(MTSAT)を打ち上げ、この衛星からGPSを補強する情報を航空機に提供することとしている。
本事業において、平成9年度からの3ヵ年計画により、当情報を利用する精度の高い受信機の開発を行うこととし、本年度は昨年度実施した要求要件調査及びソフトウェアの基本設計を基に機上受信機を試作した。
報告書:50部
(4) 地上疑似衛星を用いた精密進入援助システムの開発
現在、空港の進入着陸援助施設としてはILS(計器着陸装置)が使用されているが、次世代においては、これに替わりGPS(米国が運用している全世界的衛星航法システム)の情報を利用した装置を使用することとしている。
ただし精密進入着陸に利用する場合、現存するGPSの情報のみでは測位精度及び信頼性が不十分なため、適切な補正と補強が必要である。
本システムは、空港内に疑似衛星施設を設置し、宇宙のGPS信号を受信し、自局の正確な位置と比較して得た測位誤差補正情報ならびに宇宙のGPSと類似の情報を機上のGPS受信機に伝送することにより所要の測位精度及び信頼性を確保するものである。
本開発は、技術的難易度が極めて高いため平成10年度からの4ヵ年計画により実施することとし、本年度は、性能要件の調査検討及び高周波部等システムの一部を試作した。
報告書:50部
■事業の成果
各事業による調査・研究は、わが国の航空安全に大きく寄与するものと思われる。
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