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■事業の内容

アジア・パシフィック諸国の要請により実施している「PSC検査官基礎研修」を補完して各国に検査官指導のためエキスパートミッションを派遣し、セミナーを開催し、検査手順の調和のため検査官交流を行うことにより、各国検査官の資質向上を目的として次のとおり実施した。
(1) エキスパートミッション
 各地の事情に対応した指導を行うため、以下のとおりエキスパートミッションを派遣し、指導を行った。
 [1] バンコク(タイ)における指導
  a.実施地   バンコク
  b.実施機関   1998年6月29日〜7月10日
  c.エキスパート  2名 (Australian Maritime Safety Authority)
  d.参加者数   47名
 [2] ニンポー(中国)における指導
  a.実施地   ニンポー
  b.実施機関   1998年9月14日〜25日
  c.エキスパート  2名 (日本国運輸省)
  d.参加者数   32名
 [3] プサン(韓国)における指導
  a.実施地   プサン
  b.実施機関   1998年10月19日〜23日
  c.エキスパート  2名 (カナダ運輸省)
  d.参加者数   23名
(2) セミナー開催
 時々変化する諸条約等に各国が適切に対応できるよう状況に合わせたテーマにより共通の理解を得ることを目的とし、「ISMCODEに係るPSC」、「バルクキャリアの安全」をテーマに香港で開催した。
  a.開催場所   中国香港
  b.開催日   1998年11月30日〜12月2日
  c.参加者   オーストラリア、カナダ、中国、フィジー、香港、日本、韓国、マレーシア、パプアニューギニア、フィリピン、ロシア、ソロモン及びベトナム
  d.プレゼンテーション
    事務局からPSCの現状説明、「ISMCodeにかかるPSC」、「バルクキャリアの安全」についてのプレゼンテーションの後、香港、オーストラリアから報告があり、熱心な討議が行われた。
  e.合同PSCの実施
    香港に入港中のタンカーを使用し、合同PSCを行い、欠陥等に見解を述べ、共通の理解を得た。
(3) 検査官交流
 PSC先進国間でのPSCの内容を互いに理解し、調和を図るため次の交流を行った。
 [1] ニュージーランド→オーストラリア
    期間 1998年11月9日〜13日
 [2] カナダ→ニュージーランド
    期間 1998年11月23日〜12月8日
 [3] オーストラリア→日本
    期間 1999年3月1日〜11日
■事業の成果

「エキスパートミッション」においては、実施地のPSC検査官のレベル及び入港するPSC対象船の種類に即した教育が出来たため、当該地におけるPSC実務の飛躍的な改善が可能になった。
 「セミナーの開催」については、今回のテーマであるISM Codeに係るPSCに付き、共通の理解を持つことが出来た。
 「検査官交流」では、PSC先進国間におけるPSC実施現場を体験し、意見を交換することが出来た。
 これら3つのサブプロジェクトに相俟って、アジアパシフィック地域のPSC検査官の資質向上に大いに寄与した。





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